お盆休み最後の日、 千葉のいすみ鉄道に行ってきた。
公募社長である鳥塚社長が就任して国鉄型気動車を導入したりムーミンをキャラクターに使用したりするようになってからは確か初めての訪問だ。
撮り鉄ではなく、 「夏休みらしく旅気分を味わいたい」 ということで、 国鉄時代の気動車であるキハ52+キハ28の急行列車に乗るのが目的。
カメラはマイクロフォーサーズのLUMIX GX7と標準ズーム・望遠ズームという、 普段の撮り鉄時から考えたらあり得ない位の軽装。
首都高 中央環状線の中央道〜首都高湾岸線間が開通したため八王子から房総方面にアクセスしやすくなり、
アクアライン経由で自宅から大多喜まで2時間で着いてしまった。
町営駐車場に車を停めて大多喜駅に向かうと、 大原方面から走ってくるはずのキハが車庫に停まっている。なぜ?
不運なことに午前中に乗用車と接触する踏切事故が発生したためにキハは運休とのこと。
停まっているキハ52を見ると、 運転席に登るためのステップとその周辺が曲がっている。
事故の当事者、いや当時車はキハ52だったのか…
(なお乗用車は大破したが怪我人は無しとの後報。)
仕方ないので普通列車でうろうろしてみることにする。
距離が短いとはいえ一日フリー切符が1000円というのは安い。
そういえば私が頻繁に来ていたのはまだ開業時のレールバス (いすみ100→いすみ200) しか走っていない頃で、
新しいいすみ3**に乗るのは初めてだ。
過去の写真を調べてみたら最後に来たのは7年前だった。
国吉駅に留置されているキハ30に青ガエル、 と言っても生き物の方。
回送列車を車庫に入れるなりキハ52の状態を確認しに来た運転士さん。
久し振りの訪問がよりによってこんな日になってしまったが、 いすみ鉄道の今の姿を見て感じたのは 「本当に良い路線になったなぁ」
ということ。
以前のいすみ鉄道は、良くも悪くも滅び行くローカル線そのままの姿だった。
ローカル線なんて、例え現時点では輸送量と利益が確保できている路線であっても、ただ輸送手段と考えて何もしなければ遅かれ早かれ廃止になる運命。
そういうありのままの姿を見に来る私も含む物好きは別として、家族で観光に行くような路線ではなかった。
当時、 沿線の人々は 「当たり前にそこを走っている」
というだけで何が走って来ようが誰が乗っていようが関心を持っていなかったと思う。
それが今では起点の大原駅や国吉駅には土産物やムーミングッズの売店があり、 家族連れや友達同士の乗客が降りる。
列車が通ると沿線から手を振ってくれる人がいる。
秩父鉄道でSLに乗った時に驚いたことなのだけど、沿線の人々が、もう、そこかしこで手を振っている。
もちろん乗客たちは手を振り返す。
ローカル線に乗っただけでその日初めて来た乗客と沿線住民とが繋がってしまうのだ。
秩父鉄道では地域に愛されている路線であることを肌で感じたが、いすみ鉄道でもそれが起きているのだと思いたい。
そして、今のような楽しいローカル線としていつまでも残って欲しい。
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