フォトキナ2010に合わせて色々な製品が発表されているが、私の永遠のテーマ(笑)、お散歩カメラ探しに関係しそうなものもいくつか出てきた。
実用カメラはEOS5Dでかなり満足してしまっているのであんまり関心は高くない。
私の言うお散歩カメラとは、「小さくて軽いけれどそれなりに色々な表現ができるカメラ」である。
小さくて軽いコンパクトデジカメはいくらでもあるけれど、何と言ってもボケが小さいので表現の幅が狭い。
そんなわけで、最低でもフォーサーズ程度の素子サイズで、そこそこ明るいレンズが使えるカメラということになる。
たまにEOS5DにEF50mm
F1.8(Iです)を装着してバッグに入れて持ち出すことがあるのだが、結構重い。
いや、ほぼ1kgちょうどだから一眼レフカメラのボディ+レンズとしては全然重くないのだが、「忍ばせておく」という感覚には程遠い。
飲むかどうかわからないのに1リットルの牛乳パックを常時持ち歩きたくはないでしょ?^^;
「撮るかどうかわからなくても日常的に持ち歩く気になる」ことは大事なのだ。
これがEOS Kiss Digital NとEF-S18-55mm F3.5-5.6
ISになるとかなり違う。 上の組み合わせとは300gの違いだが、これだとずっとバッグに入れておこうという気になるし、最近は実際にやっている。
この組み合わせだと、手ブレ補正まで付いて大きさと重さの割にかなり色々撮れるのだが、全てに無難というだけで、カメラ的喜びは皆無である。
認めたくはないが、私もいつの間にか「写真より写真機」という邪教に洗脳されているようだ^^;
…で、これのレンズをEF35mm F2あたりにすると、ちょっとは楽しい気分になるのかもしれない。
重さは上述のEF-Sとほぼ同じ。
と、そんなことを考えている時に興味をそそられたのが、先日海外で開発発表されたフジのFinePix
X100というカメラ。 APS-Cサイズの素子に23mm(35mm相当) F2のレンズを搭載している。
NDフィルター内蔵で、大口径レンズを活かす手段にも抜かりはない。
コンパクトデジカメでの、どちらかと言うと絞りによる回折で光学性能が落ちるのを防ぐためというNDフィルターとは違うだろうから。
何より面白いのが、このカメラは光学ファインダーと電子的なファインダーの両方が使えるということ。
正確には、両方ではなく「切り替えられる」のだ。
「逆ガリレオ式のファインダー」というのはきっとコンパクトカメラのようなファインダーなんだろうけど、液晶やEVFよりは良い。
「写真」を考えれば液晶やEVFでも問題ないけれど、どうでもいいものを撮る^^;からこそ「気持ち良くない」のは駄目なのだ(笑)
で、このようなTTLでないファインダーはパララックス(視差)などの問題はあるだろうが、液晶の像を投影してブライトフレームを表示するのだしレンズも固定式なのだから、パララックスの補正くらいはしてくれるのかもしれない。
更に、ちょっとスマートではないが、50mm相当とかになる専用テレコンが用意されて、それに合わせたブライトフレームを表示できたりしたら面白い。
さて、ここまでは光学式ファインダーに拘った話だが、それを外しても良いニュースはあった。
パナソニックから発表されたフォーサーズ用の14mm
F2.5(28mm相当)。 いわゆるパンケーキレンズといったサイズ。 同じくパンケーキな同社の20mm
F1.7(40mm相当)と一緒に持ち歩いても全く苦にはならなそう。
28mm相当の次が40mm相当というのはちょっと不便(もっと望遠寄り…例えば50mm相当の方がいい)な気もするけど。
それを言うなら14-45mm F3.5-5.6といった標準ズームを使えって話だが、EOS Kiss Digital
Nのところで書いたのと同じ理由、あんまり面白くない^^;
リコーからは、GXR用の、APS-Cサイズの素子を搭載した28mm相当
F2.5のカメラユニットが発表された。 既存の50mm相当 F2.5マクロのカメラユニットと組み合わせれば使いやすいシステムになりそう。
ソニーのNEXに50mm相当位の単焦点が出れば、既に24mm相当のパンケーキがあるのでより私好みなのだが、古来のカメラ的な要素を極力廃した感じの操作性やユーザーインターフェースは全く気に入らない。
「ぼかしコントロール」ってプログラムシフトのことかよ…。
旧来からの機能に全く別の名前を付けるのって、ユーザーが初心者からステップアップしようと書籍を読んだり人に聞いたりした時に無用な障害になると思うんだけどなぁ。
いざ興味を持って書籍などで勉強しようとしても、プログラムシフトについては書かれていても「ぼかしコントロール」については書かれていないだろうから、せっかくそういう興味を持った人には結局「わかりにくい」ことになってしまう。
「ステップアップする人なんか知りません、何も考えないアタマの悪い子がターゲットですから」みたいな、ユーザーを見くびったような姿勢を感じないでもない、というのは言い過ぎ?
「背景をぼかす。心が動きだす。」という意味不明なCMのキャッチコピーも、「お馬鹿な人なら『何か知らないけど凄くね?買うべ?』と思ってくれるんじゃね?」みたいな空気を感じ…。
実際のユーザーは、興味を持てば仕組みを理解しようとちゃんと考えるし、そういう興味を持たない人や本当に何も考えない人は「ぼかしをコントロールしよう」なんて思わないだろう(一番わかりやすい露出補正でさえ全体で見れば使う人の方が少ないだろうから)。
…と毒はここまでとして^^;
そこそこ大きい素子を搭載していて使っても楽しそうなカメラと言えば、シグマのDPシリーズもある。
「カメラ交換式」…要するに2台使う^^;ということをすれば28mm相当と41mm相当が使えるシステムと言えなくもない。
ただ、28mm相当となるDP1系のレンズは16.6mm F4というもので、発売当初からあまり欲しいと思わなかった要素の一つだ。
APS-Cデジタル一眼レフのキットレンズより暗いというのはどうもなぁ。
ボケが必要ないならコンパクトデジカメでいいし(あくまでFoveon特有の画質とかを考えなければ、です)。
APS-Cサイズの素子に24mm(36mm相当) F2.8のレンズを搭載したライカX1もあるが、価格対性能比…いや、価格だけ見ても選択肢には入らない^^;
オリンパスもZUIKOレンズ搭載の高級コンパクトを開発発表したが、フォーサーズより小さい素子ということなのでコンパクトデジカメの範疇だろう。
現時点で一番興味深いのはFinePix
X100だが、外装もレトロな高級感を狙っていそうなので値段はちょっと心配。
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