今となっては化石に近いノートPCを未だに愛用している。
IBM時代の末期に近いThinkPad X40で、2003年末の発売。
私が使っているのは低電圧版Pentium M 1.4GHz搭載のもので、2004年秋に発売されたもの。
未だにこのマシンが現役なのは次のような理由による。
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出先で使う程度の用途なら今でも実用に耐える
Pentium Mはアーキテクチャが優秀で、今でもモバイル用途なら支障がないレベルの動作速度を確保している。
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私の用途では最近の横長モニターには何の有り難みもない
というか動画鑑賞以外で横長の方が良い用途ってあるのかな?
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丈夫 Lenovoになった後は知らないが、少なくともIBM時代のThinkPadは他のメーカーに比べて故障・破損が少ない。
我が家には2台のThinkPad X40があってどちらも毎日稼働しているが、どちらも故障・破損知らず。
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古くなっても修理できる 大抵は古いPCは修理する方が高く付くので、
故障が買い換えるきっかけになりやすい。 しかしThinkPadは保守部品が大量に流通しており、自分で交換するつもりがあれば古くなっても安価に修理でき
る。
しかもメーカーが保守マニュアルを公開しており、分解方法や部品の交換方法
がわかるという素晴らしさ。
つまり、新しい機種でも困らないのだが、新しい機種に装備されている機能は私は必要としておらず、しかも壊れないので買い換える動機が無いのだ。
しかし、丈夫でコンパクトでそれなりに軽量なこの機種にも、ただ一つ大きな弱点がある。
それは、ほとんどこの機種専用に開発されたとも言える1.8インチHDDのアクセス速度が恐ろしく遅いこと。
ちょっと遅いとかそんなレベルではなく、Windows時代になってから私はこれより遅いHDDを使ったことがない、という程遅い。
中でもランダムアクセスが最悪で、ソフト開発や文章書きといった用途ではそれほど不自由はないのだが、WEBの閲覧といった細かい読み書きが頻発する用途ではかなり遅い。
この機種の1.8"HDDは標準的なIDE(PATA)の2.5"HDDをそのまま寸詰まりにした形態で、インターフェースも機械的・電気的に2.5"PATAと互換性がある。
しかし1.8"HDDや1.8"HDDと置き換え可能なサイズのSSDではマイナーな形態で、速いHDDやSSDに換装するには変換
基板の類を使う必要がある。
2.5"との互換性があるのに入手性が悪いというのが皮肉だ。
変換基板を使うこと自体は別に構わないのだが、固定方法を考えると「面倒くさい」となって放置していた。
ところが最近、この形態の安いSSDが出回っているのを見付けた。 店頭で売られているかどうかは知らないが、KINGSPECという聞いたこともない^^; ベンダーの製品がヤフオクなどで入手できる。
ニッチな商品ゆえ、これを逃すといつ手に入るかわからないので早速購入して換装した。
本当にそのまま装着可能なので、内蔵HDDを取り外してマウンターを移植して再度挿入するだけで使用できる。
ビジネス向けThinkPadは、多くの機種が分解せずとも外部から内蔵HDDを交換できるというのも美点。
…で、再インストール嫌いの私であるから、移行にあたって真っ先に考える方法は「元の内容を丸ごとコピー!」である^^;
インターフェースが2.5"IDEと完全互換※なので、USBの2.5"外付けHDDケースにSSDを装着するとそのまま認識される。
※ThinkPad X40/41側は3V動作のHDD/SSDにのみ対応しているが、HDD側は3Vと5Vの両方に対応している。
元のHDDが40GBなのでD2D領域(ハードディスク内にある出荷状態リカバリー用のパーティション)を削除するのが良いが、使用したツール「Acronis
TrueImage
Home」でドライブのコピーを選択すると全てのパーティションが対象となってしまうため、各パーティション(システム、D2D)を縮小して全パーティションをコピー。
別のツールを使えば後からD2D領域(パーティション)を削除してシステムパーティションを拡大することもできるので問題はない。
この手のツールを使うとコピー先のドライブでシステムを起動できないことが多々あるが、大抵はWindowsのインストールCDから修復コンソールを起動してFIXMBRを実行すれば解決される。
システムの引っ越しはしょっちゅうやっているがいつも何とかなっているので最適な方法を把握していない^^;
と、適当なテクを駆使してシステムを丸ごと移行できた。
ベンチマークマニアではないので結果は載せないが、とにかく速くなった。 4,5世代前のThinkPadが2世代前くらいの速さにはなったかな。
MLCのSSDはSLCのものに比べて速度が遅いとされているが、元が遅いだけに改善効果は絶大である。
特にSSD向けに最適化するツール等は使用していないが、通称プチフリ(プチフリーズ)などの不具合も発生していない。
後述のJSMonitorで設定できるレジストリに関しては変更してある。
しかしMLC方式のフラッシュメモリは書き換え可能回数がSLCに劣るので、寿命はちょっと気になる。
そこで、JSMonitorという書き換え(消去)回数をモニタリングして寿命を推測するソフトを導入。
MLCで一般的な1万回と仮定した場合の寿命が表示されている。
ご覧の通り予想寿命(というより死期と言うべきか…)は2032年3月と、まず問題ない。
というわけで、当分はThinkPad X40を使い続けることになりそう。
そうなると、だいぶ稼働時間が短くなっている標準バッテリーを新調しようかと思う。
手持ちの大容量バッテリーは今でも5時間位動作可能だが、バッテリーで使うかどうかわからない時はより軽い標準バッテリーで済ませたい。
新品の標準バッテリーでの動作時間は3時間程度でしかないが、予定外にバッテリーで使用することになったというような場合はこの程度で充分なことが多い。
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