「鉄道模型を自動運転させる」とか言いながら、なぜか無用な車両が増えていくわけです^^;
現時点でDCC化されたM車が2両、同じ方法でDCCデコーダーを搭載できる車両が1両、どうなってもいい動力ユニットが1両分ある。
自動運転の実験にはもう十分過ぎ。
しかしそれでも、「こんなのも自動運転で走らせてみたいな〜」という妄想に支配されて車両を買ってしまうのだ^^;
この度入線したのは、ディーゼル機関車のDE10。
青森に行った時の日記の最後の方に実車の写真が少しだけある。
DE10の前に、上の写真にも写っている旧型客車を入手したのだが(脈絡なく色々連結できる旧型客車も結構好きだ)、 牽引する機関車がない。
何かないかな〜と鉄道模型店に出掛けて見付けたのがこのDE10だった。
モノはKATOの品番703というやつで、恐らく大昔に私がKATOのカタログで見ていたのとほぼ同じ構造のものである。
最近の製品よりこの頃の製品の方が太古の記憶でスペックを把握しているので、購入するには安心感がある。
「実験用」と言いつつKATOの車両ばかりなのはこれが理由だったりする。
ちなみに、セットばらし・ジャンクのコーナーに置いてあったもので、ちゃんと走るかどうかさえわからない状態だったが、
鉄道模型の走行機能なんぞ所詮「2本の電線を流れている電流でモーターを回す」という小学生の工作レベルのものなので、
全く走らなくても修理するのはそう難しくないだろう。 よっぽどのことがなければモーターそのものが死んでしまうことはないだろうし。
ギアの破損などで修理費用が高くなると最初からまっとうな品を手に入れた方が良いということにはなるが、そうなってもレイアウト(ジオラマ)の置物として使うとか、駆動機構を取り除いて見た目上の重連用にするとか、何かしら使い様はある。
それに、自動運転はDCCでやることにしたため、動力車や前照灯・尾灯・室内灯搭載車は必然的に「いきなりバラしてデコーダー搭載すんぞコラ!」という状況なので、
まっとうな車両だと色々やりにくい^^;
外見に関しては、「キニシナイ!」という必殺技が使える(笑)
とはいえ、ナンバープレートが一部欠品している以外は外観にも特に問題はナシ。
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DCC化済みのキハ20系列と一緒に走行させてみた。 DCCの線路上では小さいボディにも関わらずしっかり走る。 |
…さて、ドキドキしながら家に帰って走行させたところ、走行にも問題はなかった。
…というより、問題はあるが新品時からそういう感じらしい。
私がKATOのキハ20で、同じくKATO扱いのDCCフレンドリー車用デコーダー「EM13」で試した限りでは、デコーダーを搭載した方が旧来のアナログ方式での運転でも走行性能が良いことがわかった。
デコーダーの機能で、アナログ運転を検知するとそちらのモードになるのだが、この場合でもCVと呼ばれるDCCで設定したパラメーターは有効である。
CVでは最高速度や中間電圧での速度が設定できてそれがアナログ運転でも有効なので、低速時のコントロール等が遙かにしやすい。
DCCデコーダー搭載のキハ20をアナログで運転すると元より低速時の走行性能が良いのだが、これは、アナログ運転時はデコーダーが線路の電圧を読み取って、その値に応じてPWM方式でモーターを駆動している(多分)ことに起因すると思われる。
通常の直流パワーパックを使ってもPWM制御のパワーパックを使ったのと同じことになり、 結果として低速走行性能が向上すると考えられるのだ。
このDE10―もちろんデコーダー非搭載のアナログ仕様―を通常のパワーパックで動かしてみると、始動電圧が妙に高い。
停止状態からスロットルを回しても一向に反応せず、ある点を超えると突然発進する。
これはモーター単体でもそういう挙動をしたので(そう、早速バラしたのだ^^;)、改善は難しい。
一方、DCCでは車両アドレス0でアナログ車両も運転できるのだが、こちらでアナログ仕様のDE10を走らせてみるとアナログ時とは比較にならない程スムーズに発進する。
そして、DCCによるアナログ車両の制御がPWM方式であることは想像に難くない。
ということは、仮にアナログ運転専用でも、デコーダーを搭載すると発進時の性能が改善される可能性が高い。
ただし、PWM制御の場合、周波数が低いとモーターの「鳴き」が耳に付くため、ある程度高い周波数にするのが一般的なようだ。
それに反して、周波数が低い方が走行性能は良いらしい。
KATOのEM13では「鳴き」は全然気にならないので、ある程度高い周波数でモーターを制御していると思われ、結果として思ったより発進性能が良くならない可能性もある。
なお、DCCの線路にアナログ車両を乗せると、すさまじい「鳴き」が発生する。
常に「ビィィーーー!」という音がしている状態。 実害がどの程度かはわからないが、あくまでも「とりあえず走らせる」ための機能だろう。
そっちの方が走行性能が良好なのは何とも…だが。
となれば、迷うことなくDE10にもデコーダー搭載、となる。
気動車と違って車内スペースは極めて狭い。 KATOのDE10用にボルトオンな感じのデコーダーもあるが、構造を見る限り古い製品には使えなそう。
というわけで、うちに来たDE10ちゃんはとっても可愛いのだが、早々にボディを削られて人工心臓を移植されることになりそう。
…コレクション的な趣向の人も多い鉄道模型の世界でDCCが普及しない理由がわかった気がした。
余談だが、先日ホビーセンターカトーに行った時にDCC車載デコーダーについて質問した際、
「どういった車両に搭載するんですか?」
と聞かれて
「KATOの古〜いキハ20です。 失敗して壊れても安いから惜しくないので^^;」
と答えたら
「いや!直します!持ってきてください!」
と店員氏が熱く言っていたのを思い出した。 この世界はカメラと違って「買い換えた方が安い」じゃないんだよなぁ。
確かに、古い製品でも自分で色を差したりパーツを取り付けたりと手を掛ければ、簡単に「新しい品と交換すれば良い」というものではないのだ。
ほんと、鉄道模型には「良き趣味の世界」があると思う。
DE10がちゃんと走ったことから、小型レイアウトでこの機関車に曳かせるための2軸式の貨車とかも欲しくなってきた。
ヤバい連鎖反応である(笑)
もちろん、何を曳こうが自動運転の技術的な面には何の関係もない^^;
でも、好きな車両があれば「これを自動運転させてみたい!」という戦意高揚にも繋がる…はず^^; |