2006/7/26〜31 南の果ての大自然 西表島

3日目


この日は、午前中に浦内川遊覧船でマリュドゥの滝とカンピレーの滝に向かい、午後は徒歩でピナイサーラの滝に行くことにします。
初日と同じ民宿での宿泊となるので、朝のうちに荷物を預かってもらいました。
初日に干しておいてもらったグショ濡れのトレッキングシューズが乾いているとは思えなかったので、スポーツサンダルに靴下、ハーフパンツという格好で、9:30の船に乗るべく浦内川遊覧 の船着場に向かいます。

マリュドゥの滝・カンピレーの滝

浦内川遊覧ではチケット購入時に帰りの船の時間を指定されますが、それに従うとかなりタイトなスケジュールになります。
9:30の船で出ると基本的には帰りの船は12:00発となりますが、船着場である軍艦岩に到着するのが10:00頃、カンピレーの滝への標準所要時間は片道50分とのことですので、普通のペースで歩くとそれぞれの滝をちょっと眺める程度しか時間を取れそうにありません。

乗船受付時に帰りの時間を変更することもできますが、午後は早いうちにピナイサーラの滝へ向かいたいので、帰りの船の時間は変更せず「一気にカンピレーの滝まで歩ききって撮影、船着場に折り返す途中で時間の許す限りマリュドゥの滝を撮影」という計画にしました。

船着場で船を待っていると、浦内川遊覧のスタッフがノコギリガザミという大きな蟹(美味いらしい)を見付けてきました。
同じ場所から出発するカヌーツアーのガイドさんは「いきなりこんな物見せられると、もっとすごい物見付けなきゃならないなぁ」などと苦笑していました。

浦内川の河口付近。浅瀬ではマングローブが勢力を拡大中。
スタッフが船着場で見付けたノコギリガザミ。美味しいらしいのですが、一度も口にすることはできませんでした。

軍艦岩に到着後、船頭さんに「12:00の船で戻る予定だが、間に合わなければ12:30にする」旨を伝えておきます。
そして、出来る限りのハイペースで歩き、マリュドゥの滝展望台まで約15分で到着。
一応ちょっとだけ滝を眺め、すぐにカンピレーの滝に向かいます。
途中、マリュドゥの滝へ下りる道には「事故多発のため立ち入り禁止」の看板が。
仕方ないのでここはそのまま通り過ぎ、カンピレーの滝へは船着場から約40分で到着。
この時点で時刻は10:40。
慌しく三脚を立てて数箇所で撮影、戻る途中でのマリュドゥの滝での撮影時間を5分位と見込んで、ギリギリの11:15頃に 折り返しました。
戻りもハイペースで歩き、予測通り11:40前には再びマリュドゥの滝展望台に到着。
あまりじっくり撮影している時間はないので、三脚は立てずにフィルター装着程度で撮影を済まし、11:45過ぎに船着場に向けて歩き出します。
この時点で時間はギリギリ。
下りが多いのでかなり速いペースで歩き、なんとか12時の数分前には到着できました。

展望台から望むマリュドゥの滝。緑に囲まれた円形の滝つぼが美しい。
階段状になだらかに流れ落ちるカンピレーの滝。「カンピレー」とは「神々が座る場所」という意味らしい。

この二つの滝への道はそれほど険しくはありませんが、道中はぬかるみ等もあるので、せめてスニーカー等で参加するのが無難だと思いました。
逆に、多少汚れても良いならばスポーツサンダルでも十分歩ける道です。
ただ、足を保護するために靴下は履いておいた方が良いでしょう。

元の船着場に戻ると、ちょうど昼時で腹も減ってきたので、上原方面に戻る途中にある「ふるーつらんど」という小さな食堂で昼食を摂ります。
ここは名前の通り南国のフルーツを食べることもできますし(自分で選ぶとそれを切って出してくれるようです)、 食事もできます。
私は八重山そばを注文、分量は少なめですが\500と値段も安めです。
それだけで済まそうと思ったのですが、店内に置いてあるフルーツがあまりに美味そうだったので、ついついパインジュースを注文。
味は正に「パイナップルそのもの」で、歩き疲れた体にはとても心地良いものでした。

家族経営の小さなお店。この時は東京からお孫さんが遊びに来ていて、楽しそうに(そしてたどたどしく)店の手伝いをしていました。

ピナイサーラの滝へ

午後は船浦湾の干潟から徒歩でピナイサーラの滝へ向かいます。
満潮時にカヌーで行った方が遥かに楽だと思いますが、マングローブをじっくり観察するには歩いて行くのが一番ということで、あえて徒歩を選択したのでした。

滝への道中は、干潟を過ぎれば草原やジャングルの中を歩くことになりますので、 宿に寄ってトレッキングシューズを回収します。
初日に干し場に放ったらかしにしておいたシューズはおかみさんの手によっ て丁寧に干され、すっかり乾いていました。
ご好意に甘えてばかりもいられませんが、勝手のわからない旅先ではこういう心遣いが身に沁みます。

最初は干潟を歩くことになるので、裸足にサンダルで出発。
上原から向かって船浦大橋の手前 、「ニッパヤシ群落」の標識のある場所から干潟に降ります。
そこからちょっとだけ川を歩いて、干潟に出たら船浦大橋を左手に見ながら進むのが正しい道です。
干潮時刻の2〜3時間前でしたが、船浦湾はほぼ完全に干上がっていました。
面白い形のヒルギ(マングローブを構成する植物の種類です)などを撮影しながら、マングローブに沿って歩を進めます。

すっかり干上がった船浦湾。奥に見えるのが船浦大橋。
完全に姿を現したヤエヤマヒルギ。タコの足のような根が特徴。
所々に川から続く水の流れが。
小さな川の河口付近、中州に取り残されたように生えていた。

これは、後日撮影した潮が満ちているときの船浦湾。

干潟を歩いて行くと、やがてヒナイ川の河口に辿り着きます。
ここから滝に向かう「マングローブの小径」を見付けられずにちょっとうろうろしましたが、入り口にはちゃんと浮きがかかっていますし、そこだけマングローブが途切れて、はっきりとした道になっています。

マングローブの小径が終わると、ここからは草原を歩くことになります。
靴もサンダルからトレッキングシューズ+靴下にチェンジしますが、少しでも荷物を減らしたいので、そこらの木にサンダルを結び付けておいて帰りに回収することにします。

草原を歩くのはわずか数分で、その後はジャングルの中になります。
木の幹が横たわっていたりぬかるみになっていたりして道がわかりにくい所もありますが、木にペイントされた赤や黄色のマーキングを冷静に辿っていけば道に迷うことはないでしょう。

唯一悩むのはヒナイ川を渡るポイントです。
川沿いに出たからといってすぐに渡ってはいけません。
ちょっと見ると先には道が無さそうでも、良く見ると道らしきものとペイントがあります。
実際に川を渡るポイントはわかりにくいのですが、 対岸まで石が続いていて渡りやすい所が川を渡る地点になります。

これが「マングローブの小径」。干潟からの入り口には浮きが掛かっている。
サキシマスオウノキの巨大な板根。これを乗り越えて行くと、やがて川を渡るポイントに。

川を渡ると、そこが滝つぼと滝の上へ分岐点です。
最初は両方行くつもりでしたが、あまり日が傾くとジャングルの中の目印が見えにくくなるだろうということで、行き先は滝つぼのみに変更。
ここからは急な山道になり、干潟から一度も休憩していなかったので、さすがに息が切れてきました。
カヌーツアー御一行に道を譲り、道の脇で一息つきます。
そして、川を渡ってから15〜20分程で、ついにピナイサーラの滝へ到着。
午前から歩き通しで体には疲れが来ていましたが、苦労したが故に、滝を見たときの感動もひとしおでした。
絶壁の上から降り注ぐ滝は涼しげで、思わず大きな岩の上に仰向けに横たわり、しばし滝の音に耳を澄ましたのでした。

絶壁から流れ落ちる、沖縄で最大落差のピナイサーラの滝。滝つぼで泳ぐこともできる。

と、ここで、初日にカヌーを借りた兄ちゃんに再会。
この日はカヌーツアーの一行を引き連れて来たそうです。
「カヌーなら帰るのも楽そうですねぇ」などと羨みつつ、陽も傾き始めたので帰路に着きました。

行きと同じ道を辿って、干潟まで戻ります。
マリュドゥ・カンピレーの滝からずっと歩き通しの一日で、もうヘトヘトです。
強烈な西日に照らされた干潟をトボトボと歩きながらも、合間にヤドカリなどを撮影して浅瀬の入り口へ戻ります。

この辺りのヤドカリは大抵細長い貝殻に住んでいて、歩いた後に道筋が残るのが面白い。
ヤドカリ、水中の図。潮溜まりのような所なので透明度が悪いですが、わざわざ防水カメラを持ってきたのでせめて一枚…。

上原には夜9時まで開いているスーパーがあり、そこで缶ビールを買って宿に帰ります。
部屋に入ってグビっと至福のひとときを過ごしていると、ついウトウト…。
目覚めると、夕食時間の終了間際でした。
慌てて食堂に向かい、夕食にありつきました。

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このコンテンツへのコメント(4)

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