房総の春〜初夏 桜と菜の花
(小湊鉄道・いすみ鉄道)

春から初夏にかけての房総半島は私の好きな撮影地で、小湊鉄道といすみ鉄道というローカル線が主な被写体です。
沿線には3月からは菜の花、 4月には桜が咲き、 懐かしい雰囲気の列車と相まって映画で見るような「日本の田舎」といった趣です。
この年は4月上旬、 4月末、 5月初めと1ヶ月で3回も出掛けてしまいました。
以下、日記のようなものですが暇な方はお付き合いください。
そうそう、川崎に引っ越してきて良かったことと言えば、ゴミの分別がいい加減なこととアクアラインが近いことくらいです(笑)

2005/4/10

  • 久し振りに房総へ。アクアラインを突っ走り、まずは 小湊鉄道の飯給(いたぶ)駅までやってきました。桜は満開、菜の花も咲き揃い、絶好の撮影日和。

'05/4/10、EOS10D、シグマ18-50/2.8DC。絞りを開いて手前をボカした方が良かったかも。

 この場所では望遠で桜と列車をアップで狙っている人が多く、私のように広角を付けて草むらに埋まっている(笑)のは少数派ですが、この時はもう1人同じような人がいました。望遠に比べると広角は撮影位置によって画が大きく変わるため、ベストアングルは限られた場所になります。必然的に私とそのオジサンは接近することになり、最終的には三脚の脚と脚が絡まりそうなほど密着していました(笑) でも、不思議とこのあたりに撮影に来ているのは大らかな人が多く、殺伐とした雰囲気はありません。

 オジサンの機材は銀塩と20mm〜のレンズ。三脚の脚でさえ写りかねませんから、「ここだと写っちゃいますか?」などと聞きながらカメラ位置を微調整し、あとは「あそこの地面から生えてる棒が邪魔だねぇ」とか「 あぁ、雲が無くなって来ちゃったよ…」なんていうありがちな会話をしながら、広角仲間(?)として楽しく列車を待ちました。 結果、自分としては好きな画が撮れました。

  • 隣の里見駅へ。
    ふと目に入ったのが、満開の桜の木の下に立つセーラー服の女学生(古っ)。何と素晴らしいシチュエーション!・・・と思ったら、どこぞの人が連れてきたモデルさんでした。それじゃタダ撮りはできないね^^;

'05/4/10、EOS10D、シグマ15-30/3.5-4.5(15mm)。 手前の菜の花はレンズのすぐ前にあったのですが、絞り開放でもこれしかボケませんでした。

 セーラー服のことは忘れて(笑)ちょっと名残惜しいけど…早速場所探しに入ります。のんびりマイペースで撮影できるのもこの辺りの良いところ。桜のシーズンは普段よりはカメラマンが多いですが、場所取り合戦になるようなことはまずありません 。

 しかし、右の写真のアングルが良さそうなのでカメラを構えようとしていると、遠く反対側からカメラを向けている人がいることに気付きました。まだ時間があるのでそこまで歩いて行き、まずはご挨拶、そして「あの辺りだと入っちゃいますか?」と聞いてみたら、「うーん」と苦笑いしているので、ここは潔く諦めることにします(右の写真は次の列車を待って撮ったものです)。

 まずは彼と同じ場所で撮った後、 さっき見付けたお気に入りの場所に移動。カメラをセッティングしていると、いつの間にか先程の彼を初め、何人かが私と同じ場所に集まっていました。カメラの話などしつつ張り切って待っていたのですが、なぜか時間になっても列車が来ません。その場にいた一人の方が携帯で鉄道会社に問い合わせたところ、車両故障で一つ手前の駅で止まっているとのこと。情報を教えてくれた彼に感謝、やっぱりせっかく撮るなら仲良くねってことです。

 さて。当分来ないことがわかったので、みんなその辺の花を撮ったり食事をしたりと思い思いに過ごしていました。 最初に問い合わせてくれた方が再度電話で確認したところ、やっと前の駅を出発したという知らせが。やがて踏み切りが鳴り出し、1時間ほど遅れて単行の気動車がやって来ました。

  で、1時間以上も時間があったので十分過ぎるほど撮り方を考えられたわけですが、肝心の写真の方はというと、散々待った割にはいまいちインパクトに欠けるものとなりました…。 まぁ、待っている間も楽しかったので良しとしましょう。

そういえば、せいぜい1時間に1回しか来ない列車をバックに、「今こそシャッターチャンス!」とばかりにアニメフィギュアの写真を撮っている人がいました。ここには変…もとい、私とは違った趣向をお持ちの方も集まるようです^^;

  • 次は、車をすっ飛ばしていすみ鉄道方面へ。
    目的の西畑駅までは道程で15km位ありますが、交通量が少ないので30分以内で到着。

'05/4/10、EOS10D、EF80-200/2.8L。
…ヒロシです…
最近、ピンボケが怖くて絞り開放が使えません…。
…ヒロシです…

 この場所には去年も来ていて、ぎりぎり菜の花が咲く時期ならば背後の桃の花も残っていることを知っていました。今年もうまくタイミングが合ったのですが、菜の花が減ってしまったのが残念です。去年は一面菜の花だったのに…。もう来年はここで菜の花は撮れないかもしれません。なんか寂しいですね。自分で種を蒔きたいくらいです。

 ところで、この辺りは地元の人たちも気さくで、カメラをぶら下げて歩いているとよく話し掛けられます。世間話だったり、嫁いで来た嫁の話だったり、「おばあちゃんの昔話」だったり…。 一年前の、イラクで囚われた3人の日本人が解放されたニュースは、ここで農家のおじさんから聞いて知りました^^; お願いして畑の中から写真を撮らせてもらっていたら、農作業の休憩中に私の分の缶ジュースまで買ってきてくれたなんてこともありました。

 ここ数年写真を撮っていて思ったことは、とにかく大切なのは挨拶だということです。基本的にはお邪魔させてもらっているわけですから、一つ間違えば単なる侵入者です。人の敷地でなくとも、近くに車を停めたりして、多少なりとも迷惑をかけてしまう可能性もあるわけですから、礼は尽くすべきですよね。そうすればきっと、「 わざわざ遠くからやってきたご苦労な人」くらいには見てくれるはずです。

  • 上の1カットを撮ったら小湊鉄道へとんぼ返り。上の場所が順光になるのは午後のわずかな時間だけで、それを過ぎると近くの崖の陰になってしまうため、このような面倒な道順を辿ったというわけです。

'05/4/10、コニカミノルタSINBI100HQ(SRA)、EF80-200/2.8L。 ありふれた撮り方ですが、この辺りの雰囲気が伝わる写真ではあります。

  小湊鉄道で一番人気の撮影スポットであろう上総大久保駅付近です。すでにかなり陽が傾いていて、順光で撮れるのは限られた場所になります。右の写真の手前にあるカーブを行くところを広めの画角で撮りたい、でも駅に停まっているところも…ということで、前者を本命としてEOS10D+シグマ18-50/2.8DCを三脚にセット。そっちでレリーズした後、停車したところを銀塩+EF80-200/2.8Lの手持ちで仕留めようという作戦でした。

 で、終わってみれば、本命の方は面白みのない画に。めずらしく標準の画角で狙ったのが原因のようです。私は広角が好きなのですが、どうやらセンスの無さを周りの景色が補ってくれるからみたいです。逆に、上の望遠で狙った方は、無難な画ですが田舎の雰囲気が伝わりやすい写真にはなりました。

'05/4/10、EOS10D、EF80-200/2.8L。ピンぼけさせることには自信がある^^;私ですが、背後の桜をボカしたくて、思い切って200mm F2.8で撮影しています。

 そして、この日最後の一枚。上の写真の土手の上から、停車中をアップで狙いました。背後の桜のフワっとした感じは200mm/2.8クラス以上ならでは。200mm/F2.8ではことごとくピンぼけを連発している私ですが、何とかして使いこなしたいレンズです。

 そうそう、この写真にも写っていますが、小湊鉄道には女性の車掌さんも多く、古めかしいローカル線と凛々しい彼女たちという視点も面白いのではないかと思っています。でもその場合、列車だけでなく、「お気に入りの車掌さん」が来るまで待たなきゃならないのかな^^; ただでさえ本数が少ないのに、それは厳しいです…。

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