2倍テレコン画質比較
〜エクステンダーEF2X、シグマAPOテレコンバーター2x EX DG、ケンコー テレプラスPRO300 2倍
以前にもエクステンダーEF2X (I)で
2倍テレコンの画質はどの程度? という記事を掲載している。
今回はこの純正エクステンダーも含めて、 以下の3種類の2倍テレコン・エクステンダーを比較テストした。
これらはいずれも、 最廉価ではないが純正の比較的新しい製品より安く、
おおよそ1万円ちょっと程度で購入できるものだ。
テレプラスは MC7 と PRO300 の2ラインの製品があり、 今回のものは高級タイプのPRO300ではあるが DG、 DGX、
DGX-E等が付かないフィルムカメラの時代に発売されたものだ。
テレプラスPRO300 2倍 キヤノン用
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テレプラスPRO300 2倍ニコン用
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テレコンについておさらい
ご存じかと思うが、 物理的なテレコンの装着可否はテレコン前玉の突出具合で決まり、
EOS用のテレコンバーターで代表的なこの3種類ではそれぞれ次の様な特徴がある。
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純正エクステンダーは前玉が大きく突出しているため、
正式に対応している純正レンズにのみ装着可能。
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シグマのAPOテレコンバーターEXは、
前玉は突出しているが純正よりは突出部の径が細く突出量も少ないため、
公式には対応していないレンズでも望遠系ならば装着可能なものが結構ある。
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テレプラスPRO300は、 ほんの少しだけ前玉が出っ張ってはいるものの、
望遠系のレンズであればほとんどのレンズに装着可能と思われる。
なお、 今回取り上げた3種類はいずれも焦点距離や絞りの換算機能に対応している。
キヤノンやシグマのレンズでマウントの電気接点が11ピン分あるもの (ただし2個はくっついているので10個) であれば、
カメラボディに表示されるF値や画像に付加される撮影情報が換算された値となる。
(200mm F2.8に装着した場合、 解放絞りF5.6、 焦点距離400mmと記録される)
テレプラスは 「DGX」 と付くモデルで初めて焦点距離・絞りの換算機能が付いたものと思っていたが、
PRO300系は最初から対応していたようだ。
(ただしPRO300でも倍率3倍のものは、 最終型でも焦点距離や絞りの換算には対応していないようだ)
テスト条件
EF200mm F2.8L USM に3種類のテレコンバーターを装着し、 EOS5D
MarkIIIで撮影した。
以下のような画像の左端付近・中央・右端をピクセル等倍で切り出している。
ピントは、 画像中央にAFで合わせている。
(本当は切り出す部分でピントを合わせた方が像面湾曲の影響を排除できて実写に近い気もしているのだが…)
![](whole.jpg)
解像 絞り開放 F5.6
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左端 |
中心 |
右端 |
キヤノン
Extender
EF2X (I) |
![](reso/left/ef2x_f56.jpg) |
![](reso/center/ef2x_f56.jpg) |
![](reso/right/ef2x_f56.jpg) |
シグマ
APO TELE
CONVERTER
2x EX DG |
![](reso/left/apotc2x_f56.jpg) |
![](reso/center/apotc2x_f56.jpg) |
![](reso/right/apotc2x_f56.jpg) |
ケンコー
テレプラス
PRO300
2X |
![](reso/left/tppro3002x_f56.jpg) |
![](reso/center/tppro3002x_f56.jpg) |
![](reso/right/tppro3002x_f56.jpg) |
現在手に入れようとすれば一番安価なテレプラスPRO300が意外にも健闘している。
左端は純正エクステンダーよりやや甘い画像になっているが右端ではエクステンダーEFより良好に見え、 全体としては同レベル、
個体差の範疇だと思う。
シグマはこの中では左端・右端とも一番甘くなっている。
中心部は3者ともそれほどの差ではないが、 シグマがややコントラストが低く甘いようにも見える。
なお、 この比較画像だけだと絶対的なシャープさがわからないが、 以前にエクステンダーEF
2Xのテストをした時の印象では、 本来キレの良いEF200mm F2.8L USM の画質が中級望遠ズーム程度の画質になった感じで、
十分以上に実用性はある。
解像 1段絞り F8
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左端 |
中央 |
右端 |
キヤノン
Extender
EF2X (I) |
![](reso/left/ef2x_f80.jpg) |
![](reso/center/ef2x_f80.jpg) |
![](reso/right/ef2x_f80.jpg) |
シグマ
APO TELE
CONVERTER
2x EX DG |
![](reso/left/apotc2x_f80.jpg) |
![](reso/center/apotc2x_f80.jpg) |
![](reso/right/apotc2x_f80.jpg) |
ケンコー
テレプラス
PRO300
2X |
![](reso/left/tppro3002x_f80.jpg) |
![](reso/center/tppro3002x_f80.jpg) |
![](reso/right/tppro3002x_f80.jpg) |
1段絞るとシグマの周辺部は画質が向上し、 全体の平均で見ればどれもほとんど差がない。
周辺光量
実はテレコンバーター使用時、 解像性能以上に気になるのが周辺光量。
200mm F2.8のレンズに装着しても400mm F5.6だから、 絞れてもせいぜい1段ということも多いためだ。
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絞り開放 F5.6 |
1段絞り F8 |
キヤノン
Extender
EF2X (I) |
![](vignette/ef2x_f56.jpg) |
![](vignette/ef2x_f80.jpg) |
シグマ
APO TELE
CONVERTER
2x EX DG |
![](vignette/apo2x_f56.jpg) |
![](vignette/apo2x_f80.jpg) |
ケンコー
テレプラス
PRO300
2X |
![](vignette/pro3002x_f56.jpg) |
![](vignette/pro3002x_f80.jpg) |
絞り開放では、 純正エクステンダーとテレプラスPRO300にはほとんど差がなく、
両者よりはシグマの周辺減光が大きい。
わずかなようではあるが、 バックが空になることも多い航空機の撮影などでは不利だろう。
ずばり!
そこそこのお値段の2倍テレコンでは、
ケンコーのテレプラスPRO300が一番のおすすめという結論になる。
画質は純正エクステンダーと遜色なくて装着できるレンズも一番多い。
製品としては
無印 → DG → DGX → DGX-E
とモデルチェンジしたが、 PRO300 2倍 は当初から焦点距離・絞り値 (Exif) 換算機能に対応しているため、
古いモデルから現行のDGX-Eまでほとんど機能に差がない。
機能的には、DGX-Eで一部レンズでのAF対応と、 特定のボディ+レンズの組み合わせでのAF対応が行われた。
詳しくは下記を参照されたいが、 前者はサンニッパ・ヨンニッパ等、 後者は最新ボディ+広角・標準系レンズというかなりイレギュラーな組み合わせでの話。
楽天市場 在庫検索 テレプラス PRO300 2倍 (安い順)
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キヤノン用
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ニコン用
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純正がやたらとボロいのは見なかったことにして頂きたく…