タムロンSPAF70-300mm F4-5.6 Di VC USDでシグマAPOテレコンを使用する
私はフルサイズデジタル一眼レフでタムロンの70-300mm F4-5.6 Di VC USD
(Model A005、 以下A005と書く)を使っている。
このレンズは、 安い・高機能・高画質。 しかも強力な手ブレ補正搭載、 超音波モーター、
そのお陰でフルタイムMF可能というフルスペック。 特にキヤノンのフルサイズでこのクラスのレンズをお探しなら「これしかない」と言える製品だと思う。
ニコンにはAF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mm f/4.5-5.6G
IF-EDという極めて無難な純正レンズがあるのだが、 キヤノン純正のラインナップは「選びにくすぎ」なのだ。
この焦点距離域・明るさでは300mm F5.6なのに1kg以上
定価16万円という白くてズングリしたアレ、 逆に超小型だけど描写のクセが強そうなDOレンズとか、 フルタイムMFできないやつとか、
その前モデルの、 フルサイズMFはできるけど画質が2世代前の製品とか…
そんなわけで常用レンズとしてほぼ必ず持ち出すのだが、
フルサイズで300mmというのはやはりあと一歩望遠側が長ければ… と思うシーンも多い。
年中400mm以上を使うなら比較的お手軽なところでは400mm F5.6の単焦点やズームを使えばいいのだが、
特に400mmズームはかなり大きくて重いので、 最初から超望遠でないと撮れない被写体を撮るのが目的で出掛けるのでなければあまり持ち歩きたくない。
そこで、
日記では同じようなネタを何度か書いているが、
公式にテレコン(キヤノンの製品名は「エクステンダー」)に対応していないレンズでの話題の定番(?)、 「A005でテレコンを使う」という話である。
さすがにテレ端F5.6のレンズで2倍テレコン(合成開放F値は11)は無理があるので、
1.4倍のテレコンを装着することを考えた。
なお、 A005のテレコン非装着時の元の性能は、 当サイトレンズレポートの
タムロン SP AF70-300mm
F/4-5.6 Di VC USD(A005) のページにある通り、 フルサイズの周辺部でも絞り開放から像の乱れが皆無で、
かなり優秀である。
装着できるテレコン
キヤノン純正エクステンダーは前玉の突出量が多く、 その径も大きいため物理的に装着できない。
シグマのAPOテレコンバーター1.4x EXが装着可能なことは確認済み。
PRO300を含むケンコー製テレコン 「テレプラス」シリーズも装着可能だろうが、
テレコン・エクステンダーまとめ(2) 画質比較に掲載した通り、 PRO300でないテレプラスは画質があまり良くなく、
PRO300ではシグマに比べて安くもない。
そこで、 装着可能な中では画質が良いシグマ
APOテレコンバーター1.4x EXを装着して画質のテストを行った。
|
テレ端300mm F5.6のズームとしては大柄なタムロンA005だが、
シグマAPOテレコンバーター 1.4x EXを装着することで更に全長が数cm伸び、 かなり大げさな見た目になる。
ボディはEOS5D。 |
シグマのAPOテレコンバーターは焦点距離・F値の換算に対応しているが、
これはあくまで純正やシグマのエクステンダー・テレコン対応レンズでの話。
それ以外のレンズではレンズ側にエクステンダー対応用の専用端子が存在しないため、 焦点距離換算のような電子的な機能は働かない。
しかし逆に、 合成開放F値がF5.6を越えても精度はともかくEOS1系以外でもAFが 「作動はする」。
|
A005 EOS用のマウント側。 電気接点は8端子型(実際は7端子)で、
エクステンダー対応用の3ピン分は存在しないためExif変換には対応しない。
なお、 ワイド端でもレンズ後玉は比較的奥まった位置にあるために、
シグマAPOテレコンバーターの一部は装着が可能となっている(写真はワイド端時)。 |
テスト内容
カメラはフルサイズデジタルのEOS5D、 テレコンはシグマ APOテレコンバーター1.4x EX。 テレ端300mmでのみテストを行った。
300mm F5.6のズームに1.4倍のテレコンを装着すれば絞り開放でもF8となり、
いくらフルサイズや最近のデジタル一眼レフが高感度に強いとは言っても 絞るのはせいぜい1段 (合成F11) までであろうということで、
絞り開放と1段、2段絞った状態でテストしている。
テスト画像
2011/7/8
再テストを行い画像を更新しました |
最初にこのページを公開した際、 想像したより画質が悪く、 私自身驚いていた。
その後EF100-300mm F5.6Lで同じテストをしたところまずまずの画質が得られたため、 レンズ単体の画質ではEFを上回るタムロンの画質が悪いという結果を疑問に思い、 再度テストを行った。
結果、 前回よりかなり良い結果となった。
考え得る原因としては、 前回テスト撮影をした日は風が強く、
その影響を受けてしまった可能性がある。
以下、 EOS5Dで撮影し、 カメラが生成したJPEGそのまま掲載。
三脚使用、 手ブレ補正はOFF。
300mm × 1.4倍テレコン = 420mm |
絞り開放 (合成F8) |
1段絞り (合成F11) |
2段絞り (合成F16) |
|
|
|
結果
絞り開放でも中心部は十分使えそうである。
絞り開放での周辺画質は、
このシグマのテレコンの性能からしても妥当な結果かと思う。
テレコン自体の素性については前述の「テレコン・エクステンダーまとめ(2) 画質比較」のページをご覧頂きたい。
上記ページにもあるようにシグマのテレコンは純正エクステンダーより周辺減光が大きいが、 このレンズとの組み合わせでも1段絞ると周辺減光が軽減され、 周辺部の画質も明確に向上する。
AFについて
AFは大抵の場合うまく動作しない。
作動自体はするのだが、 迷って合焦しないことの方が多い。
条件はわからないが、
晴天の日向でコントラストがはっきりした部分でも駄目なときは駄目であった。
基本的にMF専用と考えるべきだろう。
1.4倍テレコン装着時のテレ端での開放F値はF8である。
やはり、
ボディのAFが対応している最大開放F値が5.6であるのはちゃんと根拠があるようだ。
では開放F値がF5.6を越えても中心のAFフレームではAF可能なEOS1系ではどうなのか?
…EOS1D系なんて高級品は持っていないのでわかりません^^;
しかし、 不幸中の幸いというか、 光学式手ブレ補正はMF時にも大きな恩恵がある。
シグマAPO EXテレコンの注意点
このレンズに確実に装着可能なシグマのテレコンバーターはAPOテレコンバーター 1.4x EX
(EX DGでないもの)、 しかも同じ品名のままマイナーチェンジされる前のものである。
シグマのテレコンの装着可否についてはテレコン・エクステンダーのまとめ(1)
装着可否についてにより詳しく書いてあるのでそちらをご覧頂きたい。
なお、 このレンズに関しては1.4x EX DGでも装着可能という情報もあるが、 私自身は確認していない。
楽天市場在庫検索 シグマ
APOテレコンバーター1.4x EX (DG含む)
|
キヤノン用 |
|
ニコン用 |
|
|