フルサイズ用広角ズームでは定番の焦点距離域17-35mmをカバーするレンズで、タムロンのデジタル対応設計「Di」シリーズです。
シグマにも同等スペックの「17-35mm
F2.8-4 EX (HSM)」と「同EX DG (HSM)」があります。
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使用カメラ:EOS5D(フルサイズデジタル、1280万画素)
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注記が無い限り、カメラで撮影したJPEGをそのまま掲載しています。
(縦位置の写真は無劣化回転を施しています)
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同じく撮影パラメータは標準設定。
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APS-Cのカメラをお使いの方は、画像の中央約2900×1900を切り出すとおおよそAPS-Cで写る範囲になります(約550万画素)。
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周辺光量
周辺減光は小さいサイズで見た方が大きいサイズで見るより大きく感じますので、その点にご留意ください。
17mmの絞り開放でははっきりと光量の低下が認められ、時として目立ちます。20mm以降も周辺光量の低下はありますが、青空のような被写体でなければそれほど目立ちません。
青空などを入れる場合は…
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17mm域…F5.6でほぼ問題なく、F8なら確実。F11で均質になります。
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20mm、24mm、28mm…F5.6でほぼ均質になります。
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35mm域…F5.6でまず問題なく、F8で均質になります。
実際の使用上は、ズーム全域でF5.6でおおよそ問題なし、F8なら確実、と覚えておけば良いと思います。 |
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開放
(F2.8,3.2,3.5,3.5,4) |
F4 |
F5.6 |
F8 |
F11 |
17mm |
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20mm |
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24mm |
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28mm |
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35mm |
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歪曲
17mmでは少し陣笠状の樽型の歪みで、直線が多い被写体では多少目立ちます。20mmではかなり歪みは小さくなりますが傾向は同じ、24mmで歪みはほとんど消えますが、良く見ると微妙に糸巻き型が現れ始めています。28mmが最も歪みが少ないようです。35mmでは糸巻き型ですが、目立つ程ではありません。
写真が少し傾いているため水平な画像より歪みが大きく見えますが、首を傾けて見てください^^; |
逆光性能
このレンズの画質面での一番の美点が、かなり逆光に強いことです。写真では画面に晴天の太陽を入れていますが、かなり小さなゴーストが1、2箇所出ているだけです。ある本での同じくEOS5Dでのテストでも、EF16-35mm
F2.8L USM、EF17-40mm F4L USM、シグマ17-35mm F2.8-4 EX DGを抑えて圧勝しています。 |
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17mm F11
画面中央付近に見えるのはゴーストではなく三色の提灯です。 |
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17mm F8
画角が広いと逆光に弱いレンズは使い勝手が悪いですが、その点では信頼できるレンズ。 |
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17mm F11
コントラストが高くクッキリとした画が出るレンズです。 |
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17mm F11
コントラストが高いのはこのレンズの特徴の一つでしょうか。広角では好ましいように思います。 |
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17mm F5.6
薄暗くてもくっきりとした発色。派手といえば派手。 |
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17mm F5.6
最短撮影距離は30cm。昔の超広角ズームは50cm程度のものもあったのでそれに比べるとかなり寄れますが、もうちょっと寄れたら…と思うことも。 |
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17mm F11
こういう被写体では焦点距離に気を付けないと… |
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17mm F2.8
かなり薄暗い室内ですが、F2.8の明るさに救われました。絞り開放ですが、こういう状況だと周辺減光はまず気になりません。 |
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17mm F3.5
17mmとはいえ絞り開放では被写界深度が浅すぎるので少しだけ絞りました。 |
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17mm F2.8
葉っぱのごく一部にしかピントが合っていません。日陰ですが赤が鮮やか。 |
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17mm F8
同じような構図で。超広角でボケ過ぎると左のように二線ボケが目立ったりするので、構図によってはあえて多少絞った方がいいのかもしれません。 |
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17mm F2.8
ISO800、絞り開放でも1/50秒という厳しい状況。 |
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22mm F11
スナップには単焦点の方がいいと思うことがありますが、超広角は別。余計なものが入らないように微調整ができた方が絶対便利だからです。 |
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キヤノン用
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ニコン用
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35mm F5.6 テレ端の歪みはあまり目立たない。 |
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35mm F4
またお前か!彼女は他のレンズの作例にも登場しています。大昔のテニスの衣装だそうで。 |
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主観的画質評価
★★★★ 4 (5点満点)
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絞りを開いた時のシャープネスが高いレンズではありません。テストチャートなどで純粋な光学性能をテストすると、あまり良くない結果になるでしょう。
しかし、実際の撮影シチュエーション…多くの場合、遠景や平面的な被写体の場合は絞り、近景などをボケを生かして撮る場合は周辺のシャープネスは関係ない…ではそれなりに優秀です。F11では最周辺部以外はEOS5Dの限界を超える程解像したりします。チャートやテスト画像を気にしない実用本位の方にならお勧めできます。
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今時の超広角ズームの中では最も軽いです(公称440g)。
シグマのEX DG (HSM)の前モデルであるEX
(HSM)は約400gと17-35mmをカバーするレンズとしては恐らく最も軽量ですが、最短撮影距離の50cmは今時のスペックではありません。また、フィルター径が82mmですので色々と大変そうです。
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一時はシグマ17-35mm F2.8-4 EX DG
HSMの方が良いかとも思いましたが、タムロンの逆光性能を実際に体験して使い続けることにしました。上でも書いた通り、ごく普通の使い方をすればタムロンのシャープネスは問題ないのに対して、逆光性能だけはある程度以上はどうにもならないからです。
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値段の幅を広げると、キヤノンユーザーの場合EF17-40mm F4L
USMも選択肢に入ります。予算があるならEFを選択するのも良いとは思います。
ただし、タムロンとEF17-40mm F4L
USMに共通する点として、画質がAPS-Cで写る範囲に最適化されている、というのがあります。
EF17-40mm F4L
USMはEOS10Dと同時に発表されたレンズで、EF-Sレンズが誕生する前、APS-Cでの標準ズームとしての使用を強く意識したものと思われます。そのためか、中心部に対してAPS-Cで写る範囲の外は解像度が低く、フルサイズやフィルムである程度周辺まで解像させるにはF8〜11まで絞る必要があるそうです。
このレンズでも同じ傾向で、APS-Cの範囲内はワイド端でもF4で周辺まで問題ない画質になっています。一方フルサイズでは、EFと同じくF8〜11まで絞りたくなります。実はEFとタムロンは、値段ほどに差は無いのかもしれません。
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