タムロン SP150-600mm F5-6.3 VC USD (A011)
ファーストインプレ
ずっと買う買うと言っていたが、遂に購入したので実際に手にしてみての感想と実写での作例を掲載する。
このレンズは、 発売直後から購入することをほぼ決めていた。
私は滅多に新品のレンズを購入しないのだが、 他にないレンズで中古も流通していないという場合に限り新品の購入に踏み切る。
なので今まで新品で購入したレンズは 「世界初の…」 というものも多い。
600mmズームは世界初ではないが、 単焦点も含めてアマチュアにとって常識的な金額で手に入り普通に使える600mmとしては唯一のものだろう。
キヤノンで言えばEF300mm F4L IS USMとエクステンダーEF 2X、 ボディはEOS-1D系もしくはEOS5D
MarkIIIという組み合わせならAFが効く600mmは手に入るが、 使い勝手が良いとは言えないし、 恐らくこのタムロン SP150-600mm
F5-6.3 VC USD 単体の方が画質は良い。
大きさ
500mmズームと比べてほとんど大きくはなっていないが、 絶対的な寸法では当然小さくはない。
収納するバッグのことは考えなくてはならないだろう。
重さ
着脱式の三脚座を装着した状態での重量はニコン用で公称1951g。
三脚座が200g程度はあるので、 恐らくレンズ自体の重さで比較すればシグマの150-500mm F5-6.3 DG OS HSMと大差ない。
それでテレ端が600mmで、 シグマと比較したわけではないが後述の通り画質も良好なのだから相対的には軽いと言える。
それでも2kg近いレンズが体感的に軽いはずはなく、 一脚を併用したくなる(実際使った)。
手持ちでの縦構図は尚更しんどく、 手持ちを前提とするならバッテリーグリップが欲しいと感じた。
実写
動物園で実写テストを行った。
他のレンズと比べての画質を知りたかったので、
つい最近までレンズのレビューに使っていたEOS5Dと同じ1280万画素で現像している。
EOS5D MarkIIIでのピクセル等倍作例は レンズレポート コーナーでの掲載までお待ち頂きたい。
今回は手持ちが主体であるし感度もそれに応じて上げているので、 2230万画素のボディで実力を量るには条件が不十分なのだ。
![](images/7T3A5552_small.JPG)
600mm F8
![](images/7T3A5585_small.JPG)
600mm F8
![](images/7T3A5725_small.JPG)
600mm F6.3
![](images/7T3A5742_small.JPG)
600mm F6.3
![](images/7T3A5896_small.JPG)
600mm F6.3
![](images/7T3A6068_small.JPG)
480mm F6.3
画質は…
画質は極めて優秀だと思う。
シャープなのはもちろんだが、 今回の撮影では絞り開放でも周辺光量の低下が気にならなかったことを特筆したい。
超望遠では絞り開放でシャープさに限らずどこまでの画質が出るかは結構重要になる。
光学的な性能のことばかり考えて下手に絞れば、
その代償としてシャッター速度を落とすことによって生じる手ブレ・被写体ブレや感度を上げることによる解像力の低下によって、
却って画質を下げてしまうこともあり得るからだ。
手ブレ補正は…
手ブレ補正の効きについては、 客観的な評価は難しい。
ただ、 超望遠では手ブレしにくいシャッター速度の目安と言われる 1/焦点距離 というのはあまりアテにならず、 このレンズの場合の目安としては、
手ブレ補正ONで 1/焦点距離 位のシャッター速度を選んで撮影した方が良さそうだとは思った。
「買い」か?
現時点でのシグマ 150-500mm F5-6.3 DG OS HSMとの価格差は3万円程度。
その価格差を問題としないのであれば、 どうせなら600mmのタムロン150-600mm F5-6.3 Di VC USD (A011)
の方が良い選択だと思う。
性能で負ける部分があるとすれば最短撮影距離くらいだろう。
シグマ150-500mm DG OS HSMは220cm、 タムロン150-600mmは270cm。
シグマから150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary
が発売されれば同クラスとして競合することになるが、 このレンズの画質を考えれば性能的に大きく負けることはあり得ないだろう。
私のように、 今すぐ600mmが欲しいというのであれば買って間違いはないだろうと思う。
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