マウントアダプターをISO AUTOでお気楽に使う
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NEX-3 +
ディスカバリーフォトM42-αNEX + Super-Takumar 135mm F3.5 |
マウントアダプターのメーカーの公式HPを見ても、
使用できる撮影モードは絞り優先もしくはマニュアルと書いてあることが多いが、
デジタルボディの場合は必ずしも最適ではないと思うことがある。
一つの記事にするほどの内容ではない小ネタなのだが、
意外とこれに触れている所がないので記事にしておくことにした。
なお、 以下はNEX-3にM42レンズ用マウントアダプタを装着した場合に基づいて書いている。
マウントアダプターと露出モード
マウントアダプターは絞り優先で、 という決まり文句はもちろん間違いではない。
フィルム時代なら。
フィルムカメラではフィルムを装填した時点で感度が決まっており、
ボディからレンズの絞りをコントロールできないという状態ではボディがシャッター速度を変化させる絞り優先モードで露出をコントロールするのが唯一の方法だった。
しかし、 最近はデジタル一眼でもISO感度自動モードが付いているのが普通で、
手持ちで気軽に撮影するならISO AUTOを使わない手はない。
ところが、 マウントアダプター使用時は絞り優先モードでは都合良く手ブレしない感度
に設定してくれるとは限らない。
これは考えてみれば当然である。
ISO AUTOはレンズの焦点距離に応じて手ブレの危険があるシャッター速度なら感度を上げるという動作になっているはずだが、
マウントアダプタ使用時はボディはレンズの焦点距離を知ることが出来ないため、 適切に感度をコントロールすることも出来ない。
(実際にはこれに手ブレ補正機構の有無などの情報も加わる)
ISO AUTOでお気楽手持ち撮影
それを回避できるのが、 マウントアダプターの使い方の基本には名前が出てこないシャッター速度優先モード。
シャッター速度優先モードを選んで感度オートを選択、
レンズ側で自分の描写意図に合った絞りに設定。
シャッター速度には手ブレしない限界あたりのシャッター速度を設定する。
上記の通りボディは手ブレ限界シャッター速度を判断出来ないのだが、 それをレンズの焦点距離に応じて自分で決めてやるという感じ。
もちろん高速シャッターで被写体の動きを止めたいならそのためのシャッター速度に設定する。
今更言うまでもなく、
本来シャッター速度優先モードは設定されたシャッター速度で適正露出になるようにカメラが絞りを変化させるモードだが、
マウントアダプタ経由ではボディは絞りをコントロールできず、 シャッター速度も撮影者が設定した値になるため、 ボディは感度
だけを変えて露出を制御するというわけだ。
露出補正をかければそれを反映した感度に設定される。
理屈上はマニュアル露出 (Mモード) でも感度の変更による露出制御は可能なはずだが、
少なくともNEX-3ではMモードではISOオートを選択できない。 「マニュアル露出なのにAEが適正露出を決める」
というのは確かに馴染みにくいのかも。
なお、 NEX-3ではオート時の上限がISO1600相当に固定されているが、
感度オートの上限を変更できる機種なら画質にも配慮したより柔軟な使い方が出来てなお美味しいだろうと思う。
例外
これで全てうまく行きそうに思えるが、
ちょっと考えるとこれだけでは対応できない状況があることに気付く。
このような場合にはそのままでは適正露出にならない。
NEX-3の場合は絞り表示 (※) が点滅するので、 暗すぎる場合は手動で感度オートの上限より感度を上げるか手持ち撮影を諦める、
明るすぎる場合はシャッター速度をより高速に設定する、 といった選択をすることになる。
と言っても、 それほど明るくないレンズを日中に使う分にはほとんどオートだけで撮影できる。
(※ マウントアダプタ使用時は 「F--」 の表示になるがこれが点滅する)
NEXとマウントアダプター
少なくともNEX-3では、
マウントアダプターをISOオートで使おうと思ったらシャッター優先モードしかないと思うのだがどうだろう。
これには、
ボタンの機能をカスタマイズしても撮影モードと感度設定両方を迅速に呼び出すことができないというNEXの大変よろしくない欠点にも原因がある。
何度か書いているが、
NEXのユーザーインターフェースは誰にもフレンドリーではないと思う。
NEX-6やNEX-7を見ると上位機種については一眼レフ等に近いものにする方向性のようにも見えるが、
入門機もそうあるべきだと思う。
なおNEX-3の場合、 お気楽撮影の最終兵器 「手持ち夜景」
では完全オートになってしまい、
マウントアダプター使用時は最適なシャッター速度に設定されないためか完全には機能していないように思われる。
純正の手ブレ補正付きレンズだと恐ろしく強力な機能なだけにちょっと残念。
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