ロープロ スリングショット 300AW

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ロープロ スリングショット 300AW

私は本気の撮影ではカメラリュックを使用することが多い。 機材が重い場合は絶対ショルダータイプよりリュックの方が楽だし、不整地や山道を歩くような場合は両手が完全に空くことはとても重要だ。

カメラバッグを選ぶ際は、お出かけ用バッグとしても違和感がないようにデザイン最優先とか、 何が何でも一つのリュックに全部の機材が入らないと話にならない、 といった明確な要求がある場合を除いては「あれはあるけどこれがない、こっちはこれがあるけどここがダメ」 と、かなり悩むことになる。

そうやって選び出したのが今使っているカメラリュックなので本当は簡単に買い換えられるものではないのだが、写真を初めて以来ず〜っと使っているためさすがに所々痛んだり、ヤレてみすぼらしくなってきていて、買い換えざるを得ない状況だった。

しかし、ただ新しいカメラリュックを買うだけではつまらないので、リュックの代わりにスリングバッグを選んでみた。

なぜスリングバッグ?

最初に書いた通り、機材の運搬という点ではリュックが一番なのだが、撮影中は、例えばレンズを交換する度に地面に下ろすことになる。 その点ショルダータイプのバッグであれば機材へのアクセスは容易。 しかし重さは堪える…
その両者のメリット(とデメリット?)を併せ持っている(と期待している)のがスリングバッグ。

スリングバッグは片方の肩でたすき掛け式にバッグを保持し、機材にアクセスする際はバッグを体の正面に持ってこられるというもので、言うなればショルダーバッグとリュックの「あいのこ」みたいなものだ。 どっちつかずで不便か、両者の利点が生きて便利か…これは使ってみなければわからない。

というわけで購入したのはロープロ(Lowepro)のスリングショットという製品。

大きさによって100シリーズ、200シリーズ、300シリーズがあるが、元々機材が多い=重い場合でなければショルダーバッグで良いと思っているので、 必然的に300シリーズになる。
ただし私が買ったのは形遅れの300AW。 ロープロのこのサイズのスリングバッグの実売価格は1万5千円以上と結構なお値段なのだが、旧モデルということで半額程度で購入できた。

収納力

買ってきた状態では、他のロープロ製品の例に漏れずやたらと細かく仕切りが入っているので、まずは現実的な機材のサイズに合わせて仕切りを外す作業から始まる^^;

仕切りを2個外して残った仕切りを移動させ、実際の撮影で使う機材群を収納してみたのが以下の写真。

この状態で、下記の私の常用フルセットが収まっている。

  • EOS5D + タムロン24-135mm F3.5-5.6

  • タムロン17-35mm F2.8-4

  • タムロン70-300mm F4-5.6VC

  • シグマ24mm F2.8

  • EF50mm F1.8

  • EF200mm F2.8Lと三脚座

  • エクステンダーEF2X

  • ケンコー オート接写リングセット

  • 角形フィルターホルダー

  • 予備ボディー(写真ではEOS Kiss Digital N)

これ以上の機材を同時に持ち歩くことはまずないので、機材の収納力は十分と言える。

上部のおむすび形の気室は入れる物を選ぶが、入れるだけなら一眼レフボディ+標準レンズでも問題はない。
ただ、わざわざボディをメイン気室側面から取り出せるようになっているのだから、利便性の上では薄いものや飲料水ボトル、食料などを入れるのが良いと思う。
私はやたらと大きいフィルターケースを持ち歩いているが、そうでない方は出先での情報収集用にタブレット端末などを入れておくのも良いかもしれない。

ロープロ スリングショット300AW 上部荷室

ロープロ スリングショット300AW 上部荷室

見えないが底部(背中側)のメッシュポケットに超軽量折り畳み傘を入れ、その上にフィルターケース(大型フィルター6枚用)、500mlペットボトルを収納した状態

こんなものも入る(6x9判カメラ フジGW690II Professional)
あまり物が入らないように言われているが、実はEOS5D+タムロン24-135mm(190D)という、割と大柄な標準レンズ付きボディでも入った。

その他、間違った使い方(笑)としては350ml缶が5本入るようだ。 保冷しても2〜3本は入るかな?(笑)

なお、302AWではシルエットをやや角張ったものにすることで上部気室の容量が増えているようだが、見た目の圧迫感はやや増している。 街中での使用では微妙なところ。

ここが良い・ここが悪い

  • 良い点

    • 意外なほど疲れない

      上記の通りこのバッグは大まかな方式としてはたすき掛け式で、一見すると右肩だけで重量を支えることになる。 上のフルセットに加えて後述の小型三脚を固定するとバッグの総重量は8kg程で、実際、背負うと最初は肩にズッシリと重量を感じる。

      しかし、このシステムで一日撮り歩いてみたが、肩の疲労は最小限だった。 これは、ショルダーバッグとは違って重量そのものは背中全体で支えるような状態になるからだと思う。
      肩への負担はショルダーバッグとは比較にならない。 それどころか、下手なリュックより疲れない。

      購入の目的がリュックの行動自由度・耐重量性とショルダーバッグの利便性の両立だったので、 満足度は高い。

    • 小型三脚なら装着できる

      ロープロ スリングショット300AW 三脚固定

      後継のスリングショット302AWは三脚固定用のバンドを装備しているが、300AWでも「スリップロック」対応外部アクセサリー装着用のループ部分に脚を差し込めば小型三脚程度なら一体化が可能。
      このループはショルダーベルトやウェストベルトなど何箇所かにあるが、背面に限って見ると、300AWでは上部気室の蓋とメイン気室の蓋の2箇所、 いずれも中央線上のいかにも三脚を差し込みたくなる位置に装備されている。

      後継の302AWでは下部1箇所のみになっているが後ろから見て右側面に三脚ホルダーが装備されている。

      実際、VelbonのMAX i 343ESという小型三脚(縮長37cm・重さ0.86kg)の脚のうち1本を上部のループに差し込んだ状態で安定して持ち運べた。
      体の前面にバッグを回すのにも問題はないし、三脚の脚は上部だけに差し込んでいるのでメイン気室の機材の取り出しにも支障はなかった。
      上下2箇所のループの両方に1本の脚を貫通させることもできたので、移動時は下のループにも脚を通しておけば三脚が暴れる心配が無く、より安心。

      なお、この三脚の素の状態での雲台はさすがに中型一眼レフで使うには無理があるものなので、ジッツォの中型自由雲台に交換しており、 三脚の総重量は1kg程度はあるはず。
      このスリップロックシステム取り付け部は頼りない感じに見えるが、スリップロック対応アクセサリーにはサンニッパが入るレンズケースなんてのもあるので、装着方法を考えればそれなりの重量物をぶら下げても大丈夫なはずである。

      公式製品情報:Lowepro(ロープロ) レンズケース 13×32cm

      300AWのこの背面のループ部分(スリップロックタブと呼ぶらしい)は、デュポン社のハイパロン(Hypalon)という特殊な ゴム系素材でできている。
      この素材は自動車用ホースなどでの使用を想定したもののようなので 経年劣化や裂けにくさなど色々な面で耐久性が高いのだろうと期待するが、 302AWではあっさりと普通のナイロン製に変更されている^^;
      この素材は生産終了らしいのでそのためにやむなく変更になったのだと思うが、 この素材に強度的に問題があって使うのをやめたなんてことはないだろうなぁ??

  • 悪い点

    • 左右にポケットが欲しい

      後ろから見て右側は体の正面に回した際に下側になってしまうので使いにくいかもしれないが、左側は目の前の一番アクセスしやすい場所になるのだから、ここにポケット等があっても良いと思った。
      標準装備でなくてもスリップロック取り付け部を用意しておいてくれれば好きに使えるのに。

    • 体に固定した状態での機材へのアクセス性は良くはない

      鏡の前でもない限り、 正面に回した際に下側(背負っているとき後ろから見て右側)に入っている機材はほとんど見えない。
      もっとも、下ろしてしまえばリュックと同じなので、一部機材にアクセスできるだけでもリュックタイプに対するアドバンテージは もちろんある。

    • そのくせどこにも脚がない

      土の上などに下ろすと、当然ながら布地はすぐ汚れる。
      下面に軟質樹脂製の脚が付いているだけでも汚れ具合が全然違うのだが…。

どれも機能よりデザインを優先した結果という気がしないでもない。

使用上の注意?

背負い方

たすき掛けのバッグというのは下ろすのが面倒なのだが、このバッグのショルダーベルトはバックル式になっているので、それを外せば簡単に体から外すことができる。

それはいいのだが、最初戸惑うのが背負うとき。
下ろすときと正反対にバッグを背中の位置にしてバックルを留めてもいいのだが、機材満載で重くなるとこの方法ではつらい。

楽に背負うには、「まずはバッグを体の正面に持ってきたときの状態にして、そこから回して背中に持って行く」のが一番だと思う。
文章で書くと「バッグ上部が左手側になる方向で、首と左腕をショルダーベルトに通す」なのだが、この文章でわかる人はまずいまい^^;

と、最初はちょっと面倒に感じるが、慣れればリュックを背負うのと同じように簡単に背負える。

アクセサリー類がやたらと高い!

スリップロックシステムに対応したアクセサリーがやたらと高い。
レンズポーチが3千円というのは何とか我慢できるとしても、ペットボトルを入れる巾着袋みたいなのが\2,940(大手カメラ店の売値。定価の3割引)というのは非常識にも程がある。

公式製品情報:ロープロ(Lowepro) S&F ボトルポーチ

ちなみに同じ店で、同じような方式のタムラックの「モジュラーアクセサリーシステム」用のボトルポーチ(タムラック MX5398)は600mlのボトルが付属して\3,480であった。 でもこんなボトル、今時\100ショップでも買えそうなので、どっちもどっちだろう。

価格的にもお勧めなのがこのエツミのレンズポーチ。 ボトル類も入れられる。

で、「スリップロックシステム」なんていう大層な名前が付いているが、要するにベルクロ(マジックテープ)方式でズボン等のベルトに装着できるものなら固定ベルトの幅が合えば装着できるはず。

しかし、これらを汎用品で代替しようと考えると、レンズポーチ等でもベルト装着部がスナップやベルクロ式で開けるものは意外なほど少ない。 バッグ側の 「スリップロックタブ」 は閉じたループなので、 アクセサリー側の固定用ループがベルクロ等で開けるようになっていないと装着できないのだ。

何とかしよう

このように、専用アクセサリーは気の利いたものがない上に高い。リーズナブルでない製品(低価格という意味ではなく、元の英語の意味の通りモノに見合った価格でないもの)は買わない主義なので、工夫して何とかすることにした。

今のところ、既製品が存在しない三脚ホルダーの装備はできた。 結構しっかりしているので、背負ったときの重さはともかく強度的には私が常用しているカーボンの中型三脚程度は大丈夫なはずだ。 しかもバッグの中心線上なので、後継の302AWで標準装備されている三脚ホルダーより背負ったときの安定感は高いはず。

他にも拡張したい装備があるので、この辺りのお話は次回ご紹介したい。

続き: ロープロ スリングショット300AWのカスタマイズ

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