偏光写真

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いきなりですが、これ何だと思います?

私がダイヤの原石なんぞ持っているはずはないので、何かの鉱物といったところでしょうかね?

これ、偏光写真というものです。 正式な名前かどうかはわかりませんが、とにかく、偏光した光で物体を透過し(照射でもいいのかも知れませんが)、それを更に偏光させて見ると普段は見えなかった色に見えます。 初めて見るとちょっと驚きます。 詳しいリクツは割愛します…というか知りません(笑)

で、偏光と言えば、写真を撮る方ならご存知の通り偏光フィルターを使えば簡単にできます。 物体を照らす光と、それを透過させた後の2度偏光しなければならないので2枚必要になります。 サーキュラーPLフィルター(以下C-PL)には方向性があるのでちょっと気を付ける必要はありますが、C-PLでもそうでない普通のPLフィルター(以下PL)でも同じことができます。 フィルターを回転させると色や背景の明るさが変わります。

やり方は簡単。 スライドビュアーなどの照明の上に偏光フィルターを置き、その上に光を透過する物体を置きます。 それをもう1枚の偏光フィルターを通して見るだけです。 2枚の偏光フィルターの回転方向の角度の関係によって色の出方が変わります。

ただし、偏光フィルターの種類(PLかC-PLか)とその組み合わせによって多少方法が変わります。 どんな方法でも色は出るようなのですが、背景を暗く落とした方が綺麗に見えます。 以前、偏光フィルター2枚で可変NDフィルターみたいなことをやってみたことがあるのですが、それと同じ方法が背景を暗くできる方法ということになります。

C-PLには方向性があります(表裏を反対に使うと通常の偏光フィルターとしても効果がありません)。 このため、C-PL 2枚を使って効果を得るには、レンズと反対の面(外界に出る面)同士を向かい合わせなければなりません。 AF一眼レフをお使いの方はC-PLしかお持ちでない場合もあると思いますが、この場合は照明の上に置く方は表を上にして置き、その上に試料を乗せ、もう1枚はレンズに普通に装着すればOKです。 サーキュラーでないPLには方向性は無く、とにかく2枚使えば大丈夫です。 PLとC-PLを組み合わせる場合も同じです。

なお、このページの写真では試料を押さえるためもあってレンズにはPLフィルターは装着せず、

  • 照明→C-PL1枚目→試料→C-PL2枚目

の順に重ねて置き、普通に写真を撮っただけです。 ちなみに、偏光写真用に、偏光フィルターに入っている偏光膜の巨大版がケンコーから出ていました(今もあるかはわかりません)。

 

さて、上の写真の物体の正体はコレです。 上に置いたフィルターをどけると…

ただのビニールの切れ端を丸めただけ^^;

私が試したところでは、透明や半透明の樹脂製品は何かしらの色が出るものが多いようですが、塩化ビニールの類は何も起きない物もありました。 また、ビニールのような物でもあまり色々な色が出ないこともありますが、引っ張って伸ばしたりすると色が変わったります。 写真のビニールは適当に引っ張ってあります。

あと、この方法を使うと、「背景が黒い透過写真」を撮ることができます。 最初の写真がそれで、下から光を透過させているのに上や横から光を当てたように見えます。 透過光が黒く見える角度に偏光フィルターを回転させるだけです。 照明の光が透過しない角度関係になっているので照明の光は暗くなりますが、物体を透過した光は偏光の方向が変わっているために2枚目のフィルターで光が遮られにくいのだと思います。 樹脂製品だと色が着いてしまいますが、ティッシュペーパーの切れ端で試したところ色は着かず、背景は暗いのにティッシュは光っているという不思議な状態になりました。 これは透過と言うより繊維の表面で反射した光が見えているのかもしれません。 写真用としての偏光フィルターにはご存知の通り反射を消す効果がありますから、反射によって光の状態が何かしら変わるのでしょう(相変わらず原理そっちのけ^^;)。

これは同じビニールを広げただけ。周囲が写っていなければ何かの結晶に見える?

こんなことをやってみたのは、前から気になっていた「micro-fantasy 結晶の偏光顕微鏡写真」というサイトを拝見して興味を持ったからです。 上記のサイトには、同じ原理で顕微鏡で化学物質の結晶を撮った写真がたくさんあります。 最初に紹介してしまうと誰もこちらを見てくれなくなりそうなので後の方でご紹介しました(笑)

顕微鏡というのは基本的に透過照明で試料を見るものですから相性が良いのでしょうね。 普通の顕微鏡で写真に撮ろうとするとカメラ用のマウントなどが必要でそれなりのお値段になりそうですが、画質にこだわらなければUSB顕微鏡などを使えば安く遊べるかもしれません。

ただ、このテの顕微鏡、静止画の解像度が640×480というのはちょっと残念。 今時だとコンパクトデジカメとかを使って比較的簡単に顕微鏡写真が撮れるのかもしれませんが、そもそも普通の顕微鏡は照明をセッティングしたりしなければならないので、ちょこっと覗いてみようという時は面倒です。 恐らく、工業用などでも良く使われている30万画素のカメラ(出力はおおよそ640×480)とそれ以上の画素数のものでは値段が全然違うため、高解像度のオモチャUSB顕微鏡というのは作れないのかもしれません。 1000万画素なんていうのは、デジカメ以外ではほとんど使われていない、ある意味特殊な撮像素子ですからね…。

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