EOS5Dレビュー 第1回

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EOS5Dレビュー 第1回  - フルサイズがやってきた!

はじめに

ついにフルサイズデジタル一眼レフを購入しました。中古で非常にお買い得になっているEOS5Dです。

理由は、やはりAPS-Cのファインダーでは色々工夫をしても快適にマニュアルフォーカスできないこと。EOS10Dの時はフォーカシングスクリーンを旧ミノルタ製に交換(工作を伴います)していましたが、EOS20Dに買い換えたところ、これが難しくなってしまいました。

もう一つ、今でもフルサイズの方がレンズ選択の幅が広いこと。特に、標準ズームで24mm(相当)〜のものが選べるというのはうらやましいと思っていました。APS-C用の18mm〜のレンズでは約28mm相当という標準ズームとして最低限の範囲はカバーしていますが、超広角ズームも頻繁に使うことになります。
一眼レフなんだからレンズを交換すればいいのですが、大口径ズームを標準に据えている以上、何かしら望遠ズームも持ち歩くことになります。その上超広角も、となると、気楽なスナップなどでは荷物が増えたりレンズ交換頻度が高くなったりで、あまり快適ではありません。

画素数や高感度性能でフルサイズを選ぶ方もいると思いますが、私の場合は上記のように、ちょっと違ったスタンスです。もちろん、銀塩システムがそのまま使えるという理由の方もいらっしゃることでしょう。私もそれに近いですが、銀塩での資産があるわけではありません。

ですので、今後のレポートは「元APS-Cユーザーから見たフルサイズ」と言った視点になるかと思います。実際私はAPS-Cサイズのデジタル一眼レフで写真を始めたわけですから…。

では、今後数回、お付き合いの程よろしくお願いいたします。(って、ちゃんと続くんだろうな?!)

機材について

私のシステムは完全にデジタル化(APS-C)してしまいましたから、入れ替えなければならない機材がかなりあります。

  • 使わなくなる機材

    • EOS20D
      カメラ本体ですね。
      APS-Cのボディとしては他に初代EOS Kiss Digitalを持っていますが、EOS5Dのサブ機としては少しでも小さく軽い方がいいので、そちらを残すことにしました。私にとっては画素数は600万画素もあれば十分なのです。
      コンパクトという意味ではEOS Kiss Digital N以降の方が有利ですが、バッテリーが共用できるのは初代EOS Kiss Digitalまでです。サブ機としてはこれは大きなポイントです。

    • シグマ 18-50mm F2.8 EX DC
      大口径標準ズームです。
      まさにAPS-Cでの主力レンズ。旅行もこれ一本という時もありました。

    • トキナー AT-X124DX(12-24mm F4)
      超広角ズームです。
      画質は良いですが、旅行に持って行くにはちょっと悩むサイズ。

    • シグマ 30mm F1.4 EX DC HSM
      標準単焦点レンズです。
      APS-C用では唯一「標準単焦点」と呼ぶ気になるレンズではないかと思います。

    • シグマ 18-200mm F3.5-6.3 DC
      私の中では旅行専用の便利ズームという位置付けです。
      テレ側を短くしてでも16mm〜だったら良かったのですが…。

  • 新しく導入する予定の機材

    • 大口径標準ズーム
      シグマ 24-60mm F2.8 EX DGの一択です。
      せっかくのフルサイズですから、24mm〜のものを選びたいところ。また、年中首から提げることになるレンズですから、あまり大きく重いレンズは使いたくありません。
      その点でEF24-70/2.8Lは候補外で(値段的にも(笑))、そうなると残りはシグマしかありませんが、24-70/2.8の現行品は大きいですし、間もなく発売予定の24-70mm F2.8 EX DG HSMもサイズは小さくなったものの重さは大差なく、またフィルター径も82mmのままです。
      フィルターくらい買い換えればいい、と思われるかもしれませんが(確かにデジタルでは必要なフィルターの種類は少ないですしね)、私は角型ハーフNDを愛用しているので、アダプター・ホルダー・ハーフND2枚も買い換えなければならなくなります。それに加えて82mmのC-PLフィルターとなると、レンズが1本買えるほどの値段になってしまいます。
      そんなわけで、小型軽量、そしてフィルター径も77mmに抑えられているこのレンズが唯一の候補です。ちなみに手持ちのフィルターは77mmに統一してあります。

    • 超広角ズーム
      タムロン SP17-35mm F2.8-4 Di もしくは シグマ 17-35mm F2.8-4 EX DG HSMが候補です。
      APS-Cでトキナー12-24mmを使っていたのは、20mm相当より広角が欲しくなることはまず無いからでした。しかし、標準ズームで24mmまでをカバーしてしまうと、わざわざ20mm〜の超広角ズームを持ち歩くのは何か無駄な感じがしないでもありません。ですので、ちょっと広角に欲を出して17-35mmクラスにすることにしました。
      しかし、24mm〜の標準ズームを持つと超広角ズームの出番は明らかに減ると思われます。そうなるとなるべく小型軽量なものにしたくなります。その点ではタムロンの方が有利なのですが、シグマの方が3cm寄れます(タムロン=30cm、シグマ=27cm)。超広角での3cmは馬鹿にできません。
      重さか最短撮影距離かは選択が難しいのですが、うまく手に入った方を使おうと思います。

    • 旅行用便利ズーム

      旅行の時こそレンズは1本だけにしたいもの。APS-Cでは28mm相当〜で我慢していましたが、24mm相当〜の便利ズームが欲しいなぁ、とずっと思っていました。
      この用途はタムロン SP24-135mm F3.5-5.6で確定です。
      このレンズは、APS-Cで写真を始めた当初(デジタル専用標準ズームが無かった頃です)標準ズームとして使っていたことがあり、全体的な画質、ボケ味、簡易マクロとして使える最大撮影倍率(1:3)など、「便利レンズ」を越えた「万能レンズ」としての素質を感じていました。

      これがフルサイズになると、まさに「何でも撮れる」レンズになります。24mm〜なら通常撮影では不自由しませんし、望遠側は、F5.6という明るさ(暗さ)を考えると、これ以上望遠が使えても手持ちでは持て余 します。
      フルサイズへの移行を決めた際、真っ先に購入するレンズに挙がったのがこれでした。 ある意味ではフルサイズ移行の背中を押したレンズかも。それほど高く評価しています。旅行用だけでなく、スナップ等でも活躍してくれると思います。
      このレンズはすでに手元に品物が届いています。

    • 小型フラッシュ
      EOS5Dはフラッシュを内蔵していません。普段は自然や鉄道が被写体なのでフラッシュを使うことはあまりありませんが、旅行時の記念写真では顔に光を回すためにどうしてもフラッシュが欲しくなります。かと言って、大型のもの(私の手持ちはシグマのEF500DG SUPER)だと、収納時はさておきボディに取り付けていると非常にかさばります。旅行時は付けっぱなしになると思うので、これは非常に不便です。
      探したところ、いい製品を見付けました。サンパックのRD2000という超小型フラッシュです。ほとんど発光部のみというスタイルで、装着してもほとんどかさばらなそうです。また、収納時は本体内にシュー部を格納できます。旅行にはうってつけです。
      旅行時は日中使用がほとんどなのでFP発光機能があれば言うことなしなのですが、まぁ、内蔵フラッシュ代わりと考えればその辺は妥協できます。ワイドパネルが内蔵されているので24mmまでカバーできるというのも良いです ね。また、純正の220EXではできないバウンス撮影(横位置での上方向のみですが)ができます。
      既に手配済みで、間もなく手元に届く予定です。

    • フォーカシングスクリーンEe-S
      EOS5Dはフォーカシングスクリーンを交換できるというのも大きなポイントです。
      届いたEOS5Dを試してみると標準のEe-Aは相変わらずのスクリーンで、精密なピント合わせはできそうにありません。せっかくの大きなファインダーなのにこれは頂けません。
      Ee-Sタイプは「スーパープレシジョンマット」で、マニュアルフォーカスがしやすいという謳い文句の、F2.8より明るいレンズに最適化されたスクリーンです。本気撮影時はF2.8通しのズームやより明るい単焦点を使う予定なので問題ありませんが、お手軽撮影で暗いレンズを使う場合はどの程度暗くなってしまうのか?これは心配です。
      既に手配してボディに装着済みです。

    • コンパクトフラッシュ
      今までは800万画素でしたので、ほぼRAWでしか撮影しない私でも2GB+1GB+512MB×2で全く問題なかったのですが、1280万画素ではさすがに厳しい部分があります。その点ではCFの値段は恐ろしく安くなっているので問題はありませんが、あまり大容量だとデータ損失のリスクも高まります。
      EOS5Dの場合、2GBでもRAWで120枚程度撮れますので、この位の容量のものを数枚持つのが一番安全かな、と思っています。容量当たりは多少割高になっても安全性を、ということです。

  • 継続使用する機材
    デジタル化を進めた私の機材ですが、幸いにも望遠域は銀塩共用のものでした。こだわって使っていた200mm F2.8クラスのズームは大きく重く機動性を損なう原因だったので、デジタル専用のシグマ50-150/2.8DCやトキナー50-135/2.8DXが出た時は買い替えも考えましたが、画質が200/2.8クラスに届いていない感じだったので踏み止まりました。それが幸いでしたね…。

    • EF50mm F1.4 USM
      これこそ標準レンズ。
      標準単焦点なんていうのは、確実に標準ズームでカバーできる領域なので不要と言ってしまえばそれまでの物ですが、「レンズは標準に始まり標準に終わる」という言葉の通り、行き詰った時の気分転換に一本だけで撮り歩くにはこれしかありません。
      フルサイズであれば必ずしもF1.4の明るさは必要ありませんが、EF50mm F1.8ではフルタイムマニュアルフォーカスができないので、これを使おうと思います。

    • EF80-200mm F2.8L
      私の主力望遠ズームです。
      F2.8のボケは必須、それでも飽き足らずEF135mm F2L USMを購入したほどです。画質は十分。
      フルサイズでは(同じ構図なら)APS-Cより大きなボケが得られますから、135/2に相当する働きをしてくれるかもしれません。このレンズより新しい超音波モーター採用のレンズ(EF70-200mm F2.8L USM、シグマ70-200mm F2.8 EX (DG) HSM、同70-200mm F2.8 EX DG HSM Macro)もありますが、下手に買い換えて画質でがっかりするのは嫌なのでこのまま使います。

    • タムロン 90mm F2.8 Macro 1:1
      出番は無くともボケが非常に美しいので手放せずにいた一本です。買ったはいいがほとんどマクロ撮影などしなかった、という経緯があります。そうなると 、大口径望遠ズームより明るいわけでもありませんし、APS-Cでは使いにくい焦点距離だったので出番がほとんどなかったのですが、フルサイズでは中望遠単焦点として活躍できるかもしれません。

    • EF70-210mm F4
      EOS創成期のスタンダードクラスの望遠ズームです。現行のLレンズと同じF4通しというのが特長でしょうか。 普通のレンズと同じ程度の大きさ・重さというのは捨て難い魅力です。
      フルサイズではAPS-Cでの200/2.8ズームと同じ位のボケが得られるレンズとして活躍するかもしれません。 売ってもカネにならん、というのも生き残った理由かもしれませんが(笑)

続き:EOS5Dレビュー 第2回 - 雑感・ファインダーについて

EOS5D初代

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