シグマ18-50mm F2.8 EX DCは本当に黄色いのか?
私は標準ズームとしてシグマの18-50mm F2.8 EX
DCを使用していますが、このレンズは色が赤みがかると言われています。実際に自分で使っていてもそういう傾向を感じることがあったのですが、ちゃんとテストしたことはありませんでした。
そこで今回は、このレンズと、特に色については何も言われていないトキナーAT-X124DX(12-24/4)と色味の比較をしてみました。テストは晴天、曇天、蛍光灯下で行い、ホワイトバランスはオート以外で固定しています。撮影はEOS10DのRAWで行い、Digital
Photo Professionalで現像しています。
作例
晴天(WB:晴天)
AT-X124
シグマ18-50/2.8DC
白い部分を見ると、シグマが黄色いというよりは、トキナーが赤っぽく写っています。
斜陽(WB:晴天)
10月初旬、午後3時の、やや赤みを帯びた太陽光下での撮影です。
AT-X124
シグマ18-50/2.8DC
同じく、白い部分を見るとトキナーが赤っぽく写っています。
曇天(WB:晴天)
AT-X124
シグマ18-50/2.8DC
こちらは、殆ど違いはありません。
蛍光灯下(WB:白色蛍光灯)
AT-X124
シグマ18-50/2.8DC
良く見比べると、青いシーツの部分はシグマが黄色っぽく見えます。
検証のため、EF80-200/2.8Lでも撮ってみました。
EF80-200/2.8L
3者を比べると、シグマが僅かに黄色味が強いことがわかります。
そこで、色温度補正用のLBB-2フィルターを装着してみました。
シグマ18-50/2.8DC + LBB-2
トキナーやEFより僅かに青味が強くなりました。
白熱電球下(WB:白熱電球)
AT-X124
シグマ18-50/2.8DC
トキナーよりシグマが黄色っぽく写っていますが、
トキナーが赤みが強いだけ、という捉え方もできます。
シグマ18-50/2.8DC + LBB-2
一番現物には近い色ですが、白熱電球と言っても色々ですので、
必ずしもこれが正しいセッティングとは言えません。
まとめ
-
以上で色の差が問題となりそうなシーンは全て網羅したと思いますが、思いのほか色に差が出ず驚いています。結局、「トキナー12-24/4DXとシグマ18-50/2.8DCの色の差はごく僅かで実用上問題ない」という結論に達しました。
-
ただ、他の方がニコンD50で撮ったサンプルを見ると、オートホワイトバランス使用時に純正レンズに比べて明らかに赤っぽいものがありました。
「特定のカメラでAWBで使用すると差が生じる」という事実が、このレンズ自体の色の話として語られてしまっている可能性があります。ちなみにEOS10Dの場合はAWBでも色の違いはほとんど発生しません。
-
これらのことから、ネット上では「シグマ18-50/2.8DCは黄色い」という情報が独り歩きして過剰に語られているだけで、一部の機種を除いては問題ないのではないか、と考えられます。
-
また、別の観点からは、この程度の色の違いにこだわる人はRAWで撮るべきで
しょう。それでも、というなら、LBBフィルターを常用すれば済みます。今回使用したケンコーMC-C2(LBB-2)では露出倍数はほとんど掛からず、RAW現像時に+0.17EVすることでほぼ同じ明るさに見えるようになりました。人間の視覚は色温度が高いほど暗く見えるということもありますし、0.17EVという違いは、同じ絞り値・シャッター速度でも生じるレンズによる明るさの差よりも小さいものですので、ほとんど問題にならないでしょう。
|
コメント機能は終了しました。
このコンテンツへのコメント(0)
写真,カメラ,デジカメ,デジタル,一眼レフ,SIGMA,シグマ,30mm,1.4,DC,作例,サンプル,レビュー,レポート
|