先週末、初めて「川越まつりをやってない川越」に行ってきた。
最初に行ったときは、フラっと出向いたらたまたま川越まつりの日で、何十もの山車が街道を練り歩く盛大さに驚いた。
山車だから練り走るというべきか?^^;
そしてその後も、純粋に祭りを楽しむために訪れたことはあった。
しかし、川越は蔵造りの街並みが残る小江戸として有名で、普段の様子も撮影しておきたいとは思っていた。
…などと言いつつ、実は当日は、同じように蔵造りの建物が数多く残るお気に入り撮影場所のひとつ、栃木市に行こうと思っていた。
当日は、晴れの予報に反して薄曇り。
うちから栃木市へ行くには赤羽まで出て宇都宮線(東北本線)に乗るのが早いのだが、赤羽駅に着いた頃には今にも雨が降り出しそうな雲行きだった。
栃木市はそれほど遠くはないとは言え、着いて土砂降りなんてことになると悲しい程度には距離がある(赤羽駅から栃木駅までずっとJRだと78km・1時間15分程)。
そこで、駅に着いてから急遽路線変更。 思い付きで川越行きの埼京線に乗車。 思わぬきっかけで「川越まつりでない川越」の撮影が実現した。
大宮〜川越は川越線だ、などという面倒な突っ込みは不要である^^;
…赤羽から45分ほど眠りこけていると^^;終点川越駅に到着。
西武(本川越駅)や東武(川越市駅)で行った方が観光の中心地までは近い。 最もアクセスが良いのは西武の本川越駅、
最も遠くて不便なのがJRの川越駅である。
不幸にもJRで訪れた人は、チェーン店ばかりで何も見る物がないどうでもいい商店街(長い、おまけに人が多い)を抜けて西武の本川越駅方面に歩く必要がある。
この間は見る物は皆無であるから、人を避けて素早く通過することに専念するのが良い(笑)
…ふぅ、何とか商店街を抜けて西武の本川越駅まで出た。
それでも蔵造りの街並みまでは更に500mほど歩かなければならない(JR川越からバスもあるようだが)。
しかしその途中、乾物屋の前で足を止めることとなった。 その理由は「あおさ海苔」…
「あおさ海苔」が何かご存じない方のために説明すると、「増えるワカメの海苔版」とでも言おうか^^;
生の状態は見たことがないが、味噌汁などに入れると元に戻り、普通の海苔よりも鮮烈な香りが広がる食材である。
個人的には博多・長浜ラーメンに入っているのが一番好きなのだが、あおさ入りのラーメンを提供する店はそう多くはないようだ。 残念なことである。
…話が逸れた。 とにかく、好物を見掛けたのだから購入しなければならない(?)。 買い物した方が店先も撮らせてもらいやすいしね^^;
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乾物屋店頭。 このおかみさんらしき方とは後ほど再度挨拶を交わすことになる… |
なお、この乾物屋さんの店頭はしっかり6x9でも記録させて頂いた。
さて、着いたのは昼前だったので、早速お腹が空いた。
こういう時にさっさと食うにはラーメンが最適であるが、観光地ゾーンに行ってしまうとサっと食べられて安上がりという店はあまりないだろう。
あおさ海苔でもラーメンがどうこう言っているし、先日載せた函館市電の撮影記でも2回ラーメン屋に触れた気がする。
ええ、ラーメンが好きですよ私は^^;
少し歩いていると、いかにもありがちな中華そばの店を発見。
しかし何だか入りにくい雰囲気ではある^^;
隅の方からのれん越しに扉の窓を覗いてみると、なんだかものすごく近くにビール瓶などが置いてあるのが見えた気がする。
ああ、ここは入り口じゃないのか、あっちの扉から入ってみよう。
…入ってみると、横一列のカウンターのみの店内は窓から覗いたそのまんまの細さ(薄さ?)。
後ろを人が通れない以前に、巨漢だと扉の中に収まらないんではないかと…
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超広角でなければとても撮れない店内…
なお中華そばを頼んだ後、おかみさんは「気配と物音はするが姿は見えない」状態。
この狭小スペースのどこで調理してたんだろう… |
店内には工務店風の作業着を着た明らかに仕事中のおにーさんと、おじさんが一人。
おじさんの方は、飲みかけのハイボールを置いて「ちょっと買い物行ってくる」と言って出て行った。 用が済んだらまた戻ってくるのであろう。
もっと田舎ならよくありそうな地元超密着型の店であった(笑) でも、別に私も居心地は悪くなかった。
他の客がいようがいまいが恐ろしく席が窮屈なことを除いては(笑)
…と、寄り道が過ぎた。 この先はいよいよ蔵造りの街並みである。
が、川越の場合、蔵造りの街並みと言いつつ実は近代建築物の方が個人的には好きだったりする。
大正時代建築の現・埼玉りそな銀行川越支店(旧第八十五銀行本店)などはいつ見ても目を惹かれる。
逆に蔵に関しては、はっきり言ってあまり観光地化されておらず静かな雰囲気の栃木市の方が余程見応えがある。
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埼玉りそな銀行川越支店(旧第八十五銀行本店) |
と、この辺りでふと気付いた。 「持ってきたはずのフィルターケースがない…」
持ってきたのは間違いないのだ。
ロープロのスリングバッグの上部荷室に無理矢理GW690II
Professionalと一緒に詰め込んでいたので、落としたとしたらGW690を使った場所のはず。
もちろん中身はフィルターで、もし誰かが拾っても「がらくた」だが、冷静に中身について考えてみた。
77mmの薄型C-PLやらND4やら、角形ハーフNDが2種類やら…買い直したら万を越える出費だ。 さすがに探さないわけにはいかない。
落としたとしたらGW690を使った場所。
だらだら歩いて途中でラーメンを食べたりしていたので時間はかかったが、普通にあるけば大した距離ではない。
6x9で撮った場所を思い出しつつ、立ち位置周辺を睨みながら歩く。 と言っても何しろ110フィルム1本で8枚しか撮れないからせいぜい数カ所である。
しかし見付からず、最初に撮った乾物屋さんまで戻ってきたところで、店の前に駐められている自転車のカゴでフィルターケースを発見!
いやーよかったよかった…
人の自転車のカゴから一見長財布のような形をした物体を取り上げて懐に入れるのにも抵抗があったので、乾物屋のおかみさんに「これ、持って行きます。
落としたんですが誰か拾ってくれたみたいです」と言うと「あら、よかったわねぇ!!」と一緒に喜んでくれた^^;
経験上、繁盛している商店のおかみさんというのは大抵そういう方である。
というわけで一安心、6x9も交えるながらパチパチと撮影したのだが、さして面白い写真があるわけではないので詳細は省略(笑)
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蔵じゃない… |
これも蔵じゃない… |
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かろうじて蔵の屋根は写ってる(笑) |
蔵の街並みの奥に「菓子屋横丁」という観光客向けの駄菓子屋街があって土産に買う人も多いと思うが(サツマイモを使った菓子が名物)、観光客価格だし別に目新しくもないのでスルー
。
しかし菓子屋横丁で目を引いたものがひとつ。 それは「梅干し」。
前にもどこかで書いた気もするが、「まともな梅干し」というのは実は手に入りにくい。
「まとも」というのは普通に梅を塩とシソで漬けたもののことなのだが、スーパー等で売っているのは主に「梅の酢漬け」とでも言うべき「別物」である。
(値段だけは)高級なものでも、大抵化学調味料など余計なものが入っている。
そのため、要するに「田舎のばーちゃんが片手間に漬けたような梅干し」をいつも探しているのだ。
菓子屋横町にそのようなまっとうな梅干しを売っている出店があり迷わず買ってきた。
冬場は焼酎に入れると最高で、一冬分買い込みたい位なのだが、なにぶん重いしかさばるので、泣く泣く1パックだけ購入。
出店の人(漬けた本人)に「また川越まつりのときにでも買いに来てくださいよ」と言われ、本当に買いに行きたい気分になっている(笑)
なおこの梅干し、帰って賞味したところ、本当に美味い。 酸っぱい・しょっぱいの他に、とても梅の香りが立っている。
本当に1年分買ってもいいと思えるシロモノである。
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見どころのひとつ「時の鐘」。空と地上の明暗差が大きかったので(落として拾った)ハーフND使用。 |
梅干…酸っぱ〜!でもそこがいい。よく「酸っぱくない梅干」とか売ってるけど、酸っぱいのが嫌なら梅干し以外を食べればいいのに… |
帰り際に、駅方向への途中にあるハードオフに寄って、本川越から西武特急「小江戸」で帰ってきた。
・・・
で、当日やったことをピックアップすると、
・乾物屋であおさ海苔を買い
・地元民専用?の店で中華そばを食い
・梅干しを買って
・ハードオフに寄った
…全然川越らしくない(笑)
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