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翌朝起きてみると、見事な暴風雨。ツアーの開催が心配になりますが、とりあえずは食堂へ。Kさんと朝食を摂り、昨日予約したツアーに電話してみると、強風のため予定変更になるとのこと。「幻の滝」へは行けないということで、「それじゃーつまんねー!」というわけで、別の「幻の滝」ツアーに電話。こちらはトレッキングのみのツアーですが、「今決めてもらえれば『幻の滝』まで行ける」とのこと。もちろんその場で参加を申し込み、慌しく準備をして送迎を待ちました。
「幻の滝」へは、前回行った浦内川遊覧〜マリュドゥ・カンピレーの滝のコースを超えて片道三時間程のトレッキングになります。カンピレーの滝までは遊歩道が整備されていますが、ここから先は単独行動禁止・入山届けを出さなければ立ち入ってはいけない西表縦走路に入ります。そこら中に倒木はあるは道が川になってるわで今思えば結構ハードな行程でした。しかも山奥にはヒルが
いっぱい。休憩時にゴム長を見ると必ずと言っていいほどヒルが貼り付いていました。こいつがなかなか強力で、引っ張ったくらいではなかなか取れません
。ガイドさん持参の食塩を振り掛けるとあっという間にもんどり打って落下していきました。
このツアーでは、事前に「川が増水していて渡れない場合は滝の手前で引き返す」旨言われていました。また、歩くペース次第で帰りの遊覧船に間に合わない場合も引き返す可能性があると言われていました。しかし、去年はマリュドゥ・カンピレーの滝を強行スケジュールで歩行・撮影した経験もあったので自分は大丈夫であろうと思いました。幸い、同行のKさんも私以上の身のこなしで軽快に進むことが出来ました。Kさんはそこら中で写真を撮りながら
、遅れた分を小走りで追いついてくるというタフさで、女性ながら正直私より体力あるんじゃないかと確信しました…。
トレッキングは約1時間ごとに休息を取りながら続きます。やがて雨は止み、時折日差しも見られるように。最後の休息地点(昔あった山小屋の跡だとか)を過ぎると足場の悪い崖に差し掛かります。どうも私の歩き方はぬかるみで滑りやすいようで、何度か滑りながらも何とかガイドさんについていきました。そして遊覧船を降りてから約2時間半、ついに「幻の滝」ことマヤグスクの滝に辿り着きました。本当ならば階段状の岩肌を清水が流れ落ちる風情のある滝のようなのですが、この日は昨晩からの雨のおかげで大増水、ただの怒涛の滝となっていました^^; しかし、ぬかるみを歩き、足場の悪い崖を渡り、腰まで水に浸かって歩いてきたという満足感で、滝の風情などどうでもよくなっていました。とにかく達成感のみに癒された一時でした。
まずはガイドさんからお弁当を受け取り、疲れた体に放り込みます。私はとにかく休みたい一心でしたが、Kさんは食事のことも忘れて滝つぼへ直行、やや多すぎるマイナスイオンを浴びていたようです。その後私も滝つぼで写真を撮ってもらい、30分ほど滝に滞在して帰路につきました。
最初からわかってはいたのですが、行きは目的意識があるので歩が進むもの。逆に帰りは同じ道を引き返すので足どりも重くなります。しかも私の足は最近10kgほど増えてしまった
体重を支えきれなくなったようで、体が2倍くらい重くなったように感じます。そんなこともあり…足場の悪い崖で見事に滑落しました…。こういう瞬間は時間がゆっくり流れるもので、「あ、落ちる…けどあそこに木があるから引っかかるな…」などと意外と冷静に判断できるものです。落ちた高さは2m位だったと思いますが、ガイドさんに引っ張り上げられ、何事もなかったかのように歩を進めました。
「西表島で神奈川県の会社員○○さんが崖から滑落し…」などというニュースにならずに済んで良かった…。
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単独行動不可・入山届け必須という道なき道を歩く |
雨で増水した川を渡る。ここはまだ浅い方で、深い所では腰まで水に浸かりました。 |
見えてきた「幻の滝」。写真で見ると私、すでにバテ気味ですね…(笑) |
「着いたどぉ〜!」
正しくはこの滝は「マヤグスクの滝」と言います。増水していて風情がないけど…。 |
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※以上、写真はKさん提供。 |
帰りは川を渡る際に命綱を渡されたりとスリルもありましたが、Kさんの足取りは相変わらず軽かったように思います。やっぱり10kgのオーバーウェイト、なんとかしなければ…。
その後は幸いにも何事もなく遊覧船乗り場まで辿り着き、16時の遊覧船に乗りました。思えばこんなにワイルドな行程は生まれて初めて。去年はほとんど単独行動だった私でしたが、やはりガイドさん無しでは辿り着けない場所があるということを実感したのでした。
宿に戻ってみると、4月の沖縄とは思えない寒さ。もちろん私たちの体が濡れていたせいもあると思いますが。ここで私が一つ提案。西表温泉でひとっ風呂浴びようというわけです。しかし、最終バスはとっくに行ってしまっていましたし、レンタカーなどの足もありません。懲りもせずに例の西部レンタカーで車一台借りるという手もありますが、風呂に入るためだけに一晩分のレンタカー代を二人で割り勘(一人当たり\2,000)するのも馬鹿らしい。というわけで、Kさんと共謀して、同じく前日に宿で知り合ったTさんを巻き添えにすることを計画^^;
彼女の帰りを待っていると、部屋からTさんが出てきました。とっくにツアーは終わっていたらしく、部屋で休んでいたとのこと。早速、「ものは相談なんですが…」と切り出します。しかし、前日レンタカーで西表島を回っていたというTさんは既に西表温泉にも入ってしまったとのこと。絶望の淵に立たされましたが(大げさ…)、なんと「もう一度行ってもいい」という天使のようなお言葉。あぁ、Tさんありがとう。しかも私とKさんは
朝の便で西表を発たなければなりませんでしたから、レンタカーの返却までお願いしてしまいました。
私も前回西表温泉には入っていたのですが、その時は水着を持っていなかったので屋外水着ゾーンは未踏でした。そんなわけで、脱衣所で男女に分かれて混浴ゾーンで合流。西表温泉はいかにも作られた感じの観光客向け施設ですが、トレッキングで疲れきった体を休めるには十分でした。
…ところで、石垣島から西表島には二つの航路があって、一つは石垣〜大原、もう片方は石垣〜上原です。「うえはら館」の名の通り私の泊まった宿は上原港のすぐ近くにありますので、当然ながら上原便を利用することになります。しかし、外洋を通る上原便は風が吹くと欠航することも多いそうで、実際この日の上原便は全便欠航でした。私とKさんは翌日上原を発つので、島の人三人程に聞いてみたところ、皆が皆「明日も欠航でしょうねぇ」とのお答え。欠航になると上原から大原まで送迎バスが出て(所要1時間程)、大原からの便に乗ることになります。こうなるとかなり早く宿を出なければならないことになるので、再度ロビーでの作戦会議の結果、翌日は早起きして船が出るかどうかをまず確認することにしました。
翌日につづく・・・(下の「Next」ボタンで翌日へ)
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