キヤノン EF70-210mm F4

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EF70-210mm F4

EOS創成期の古いレンズだが、 Lレンズ以外でズーム全域でF4という明るさが特長のレンズ。

当時はこのクラスのレンズが主力だったのであり、 現在同じ値段で手に入る廉価クラスのレンズより造りは良く、 AF時にフォーカスリングが回転しない等の配慮がなされている。 ズームは直進式。

キヤノンカメラミュージアムの製品情報


フルサイズデジタルでの簡易テスト

  • 使用カメラ:EOS5D (フルサイズデジタル、1280万画素)

  • 注記が無い限り、カメラで撮影したJPEGをそのまま掲載している (縦位置の写真は無劣化回転を施している)

  • 同じく撮影パラメータは標準設定

  • APS-Cデジタルをお使いの方は、画像の中央約2900×1900を切り出すとおおよそAPS-Cで写る範囲になる (約550万画素)

解像性能・周辺光量

以下は、 フルサイズでの解像性能と周辺光量を (手抜きで) 一度にテストするために撮影した画像である。

しかし、 最初のテストの際に210mmでの撮影を忘れてしまい、 後日210mmだけテストし直している。 なので、 本当に正確なテストとは言えないのだが、 レンズの性能を測るのに支障はないと判断しそのまま掲載する。

しかも後で見たら、 追加テストの分は画像が傾いていた。 お目こぼしを…
言い訳すると、 本当はこういうテストは好きじゃないのだ。 実際にフィールドで使ってみたときの印象とは全然違うことの方が多いので。
こういうテストをすると描写の傾向はよくわかるが、 このレンズに限らず実用時は他の条件の影響が大きく、 長所も短所もこういったテストより現れにくい。
その辺をわかって見て頂ければ役に立つと思うのだが、 ネット上ではチャートやら壁やらを撮った結果が独り歩きする風潮がある。

  F4 F5.6 F8 F11
70mm
100mm
付近
135mm
付近
210mm
  • 70mm〜100mmの範囲では絞り開放から中心から周辺まで安定している。
    周辺での画質低下が少なく非常に均質性が高く、 フルサイズでも文句なしと言え、 最も絞り開放で使いやすい領域とも言える。
    また、 この焦点距離域では絞り開放でも周辺光量の低下がほとんど気にならない。
    更に、 開放から2段(F8)絞ると周辺画質が更に向上し、 画像全体で解像が欲しい風景撮影などにも十分耐えうると思われる。

  • 135mm付近は、 絞り開放での周辺部での画質低下が70〜100mmより大きくなっている。
    また、 絞り開放では多少ながら周辺光量の低下も認められる。
    しかし周辺画質も周辺光量とも1段(F5.6)絞るとかなり 向上し、 シャープさは主に主要被写体が配置され得る範囲では全く問題ないレベルになっている。
    2段絞れば(F8)、 最周辺部以外ではしっかりした画質を得ることができる。

  • 210mm域の絞り開放では中心部から像の甘さが感じられ、 周辺減光も210mmが一番大きいので、 画質を優先するときは1段絞って使った方が良いかもしれない。 それでも、 状況によりF4でも撮れることに意義があることは言うまでもない。
    逆に、 1段絞ればフルサイズの周辺付近でもそれほど悪くはない。
    ただしF11まで絞っても、 フルサイズではある程度より周辺寄りはカッチリしない。


ちょびっとだけフルサイズでの作例

  絞り開放(F4) F5.6
70mm

135mm

210mm

 

主観的画質評価@フルサイズ

★★★ 3.5 (5点満点)

  • APS-Cデジタルでの作例、 評価は下の記事をご参考に。

  • 少なくともEOSにおいては、 EF70-200mm F4L USMや同IS USMがある限り、 最高画質の200mm F4ズームではないことは確かだ。 ここを見ている方はそんなことはわかっているだろうけれど(笑)

  • 実用上は、 安価に手に入り、 ある程度コンパクトで、 210mm F4で撮影でき、 実写ではまずまずの画質であるということのメリットは大きい。 街中でのスナップや気軽な撮影には便利。

    特に私は街中で白い筒を構えるのは好きではないので…。

  • スペック上の最短撮影距離は1.2mだが、 距離表示には1.2mの下にこの時代のEFレンズではお馴染みの 「Macro」 ゾーンがあり、 もう少し寄れる。
    実際の最短撮影距離はわからないが、 このゾーンを含めての最大撮影倍率がスペックにある0.24倍ということのようだ(実測した)。

  • 画質以外では、 全長が137.6mmと短いのはフィールド派には便利。
    例えばEF70-200mm F4L USMの全長は172mmあり、 重さでは100g程度の差だが、 収納スペースに関しては200mm F2.8ズームと同じような専用スペースを確保する必要があった。
    その点、 このレンズはカメラリュック等でも他の全長の短いレンズと同じように収納できるため、 レンズ交換時の取り回しも良い。

EF70-210mm F4


APS-Cデジタルでの作例

  • 使用カメラ:EOS10D (APS-C 630万画素)

  • RAWで撮影しDigital Photo Professionalで現像(シャープネス:3)

70mm(ワイド端)付近

       

70mm F4(開放) 1/750
三脚使用

70mm F4(開放) 1/750
三脚使用

70mm F4(開放) 1/350
一脚使用

70mm F4(開放) 1/350
一脚使用

70mm F4(開放) 1/350
一脚使用

70mm F4(開放) 1/250
一脚使用

70mm F4(開放) 1/250
一脚使用

70mm F4(開放) 1/350
一脚使用

 

 

 

80mm F4(開放) 1/350
一脚使用

     

100mm付近

       

100mm F4(開放) 1/750
三脚使用

100mm F4(開放) 1/500
三脚使用

100mm F4(開放) 1/350
一脚使用

95mm F4(開放) 1/350
一脚使用

100mm F4(開放) 1/350
一脚使用

100mm F4(開放) 1/250
一脚使用

100mm F4(開放) 1/250
一脚使用

100mm F4(開放) 1/250
一脚使用

 

 

95mm F4(開放) 1/350
一脚使用

115mm F4(開放) 1/350
一脚使用

   

135mm付近

       

130mm F4(開放) 1/750
三脚使用

130mm F4(開放) 1/500
三脚使用

135mm F4(開放) 1/500
一脚使用

135mm F4(開放) 1/350
一脚使用

130mm F4(開放) 1/350
一脚使用

 

135mm F4(開放) 1/250
三脚使用

135mm F4(開放) 1/250
一脚使用

157mm F4(開放) 1/250
一脚使用

210mm(テレ端)付近

       

210mm F4(開放) 1/750
三脚使用

210mm F4(開放) 1/500
三脚使用

210mm F4(開放) 1/1500
一脚使用

210mm F4(開放) 1/500
一脚使用

210mm F4(開放) 1/350
一脚使用

210mm F4(開放) 1/250
一脚使用

210mm F4(開放) 1/250
一脚使用

180mm F4(開放) 1/350
一脚使用

 

 

205mm F4(開放) 1/250
一脚使用

210mm F4(開放) 1/350
一脚使用

210mm F4(開放) 1/250
一脚使用

180mm F4(開放) 1/350
一脚使用

APS-Cでの実写によるインプレッション

以下は、 フルサイズで壁を撮る前の、 APS-Cでの実写画像を見ただけの時点でのインプレッションである。

  • 画質はEF50-200mm F3.5-4.5をやや上回り、 絞り開放から写りはシャープ。 210mm域ではやや解像性能が低下するが、 実写では十分実用範囲内。

  • 廉価版の50/55-200mmよりテレ端で1絞り明るいのは当然大きな長所。
    最近のデジタル一眼では感度設定だけはいくらでも上げられるが、 本当の意味での画質を考えると300mm相当辺りでF5.6というのは三脚が前提となる領域である。 ここでの1段の違いは大きい。

    主観的画質評価@APS-C

    ★★★★ 4 (5点満点)

    EF70-210mm F4

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このコンテンツへのコメント(4)

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