世界最小のレンズ交換式デジカメと思われるPENTAX
Qが発表された。
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本体
1/2.3型CMOS撮像センサー
フラッシュ内蔵
約180g (バッテリー・メモリー含まず)
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標準単焦点 47mm相当 F1.9 高級タイプレンズ
φ45.5mm×23mm
ボディとのセット販売のみ
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標準ズーム 27.5-83mm相当 F2.8-4.5
高級タイプレンズ
φ48.5×48mm
2万円台半ば
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対角魚眼もどき (対角160度) 廉価タイプレンズ
φ40.6×30.5mm 29g
1万円程度
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トイレンズ 35mm相当 廉価タイプレンズ
6000円程度 21g
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トイレンズ 100mm相当 廉価タイプレンズ
6000円程度 18g
個人的に「はい?!」な点…
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1/2.3型の素子?
私が「写れば何でもいい」と割り切って持っているサイバーショットDSC-W380と同じだ^^;
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標準単焦点がF1.9?
コンパクトデジカメであるオリンパスXZ-1が1/1.63型素子で28-112mm相当
F1.8-2.5。
素子サイズはXZ-1の方が1辺1.4倍も大きく、 一眼でのフルサイズとAPS-Cの差に近い。
単焦点を持ち出してもXZ-1よりボケないんじゃ…??
もちろんボケがカメラの全てではないが、 コンデジと今までの「一眼」の一番大きな違いの一つであることは間違いない。
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標準ズームがF2.8〜4.5?
ごく普通の普及型コンデジと同じ位の明るさ。
コンデジのレンズは沈胴するからコンパクトだけどこれは…
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なぜトイレンズに注力?
まぁ流行りモノだからそれはいいかもしれないのだが問題は…
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最も安いセットで5万円?!
ボディ+標準単焦点セットの予想実売価格。
トイレンズ専用にして遊ぶにしてもあまりにも高い…
ペンタックスがミラーレスを出すということで、
コアなペンタックスファンもそれ以外も、 110フィルムでミニマムな一眼レフシステムを実現していたauto110の再来を期待していたのではなかろうか。
私も、 110フィルムが生産中止にならなければ使ってみたいシステムだった。 一眼レフでありながら18mm, 24mm, 50mm,
70mmとラインナップされた単焦点レンズ群 (135版換算では2倍の焦点距離に相当) はどれも手の平に乗るどころか、
望遠以外は指でつまめるようなサイズだったのだ。
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PENTAX
Qは一眼「レフ」でない時点でマイクロフォーサーズやソニーNEXと同じレンズ交換式ミラーレス一眼であり、
今のペンタックスでは対等に勝負しても勝てないのはわかる。
しかしそれでも、 「高いトイカメラ」よりマシな選択肢はなかったのか???
もしペンタックスが「これはトイカメラなどではない」と言うなら、 素子サイズの選択を誤ったのではないのか???
恐らく標準単焦点はコンデジのレンズより遙かに高画質だったりするんだろうが、
他の高級コンデジ、 何度も引き合いに出すがオリンパスのXZ-1などはズームとしてはかなり高性能なレンズを搭載しているはずであり、
素子サイズの差もあって、 ズームレンズ使用時に画質で勝てる確証は全くない。
つまり、 コンパクトサイズでどうしても単焦点を使いたくて、
コンデジのズームより高画質だったらいいなぁ、 という人以外にはこのカメラを選ぶ理由が見当たらない。 そして、 もしそういう需要があるなら、
まずはGR Digitalに対抗して28mm相当あたりの単焦点を出すべきだったのではないかと思う。
というわけで私は、 少なくとも今のラインナップでは、
ボディ+魚眼+トイレンズ2本を揃えて3万円位でちょっと面白いトイカメラとして使うといった程度の意義しか感じない。 でも、
恐らくマジメに設計したであろう標準単焦点とのセット売りしか無いとそこまで安くはならなそうなのが更に問題だ^^;
ただし逆に、 (どうせ売れないだろうから…) ボディの単体売りをしたら本当にその程度の値段に下がるのはあっという間な気もする。
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念のため言っておくと、
私は旧来のペンタックスのカメラに対する思想はむしろキヤノンなどより好きなのだ。
F値だけを追求せず重厚長大な製品ばかりでないレンズラインナップ、 小型軽量を重視したボディ、
地味だが実用性の高そうな機能。
しかし、 もうこれで本当にペンタックスが終わってしまいそうな気配すら感じる。
それが現実となったならとても残念なことである。 GPS機能を使った疑似赤道儀なんていう面白いものを発表したばかりなのに。