7/30日から、再び休暇&虫採りのために修善寺に行ってきました。
今回の目当てはノコギリクワガタのメス。これも産卵させようという企みです。
というのも、「簡単、楽勝!」と思って始めたコクワガタの幼虫がいまいち得られていないからだったりします…。
7月下旬に、幼虫を取り出すべく、産卵セット後2ヶ月弱のコクワガタの産卵木を割ってみたのですが、出てくるのは卵ばかり。
産卵木をセットしたのが6月の初めで、♀を取り出したのが7月初め。7月下旬には産卵木とクヌギチップを入れて保管してあったケースの側面に、産卵木から抜け出したと思われる幼虫が見えました。
しかし回収できたのは卵だけ(ケース側面にいた幼虫はケースをひっくり返して開けた時に行方不明に)。最初の頃に産み落とされた卵は1ヶ月前位には孵化しているはずなのに、それら幼虫は見付からず。そして、回収できた卵は間もなくちゃんと孵化。
で、産卵木を割っている間に、コメツキムシ(あの、細長くて裏返すとパッチンと起き上がるやつです)の成虫とサナギを3匹ほど発見しました。成虫になると人畜無害でむしろ愛嬌のあるコメツキですが、実はクワガタ幼虫飼育の大敵。こいつの幼虫は、種類によってはクワガタの幼虫と同じく朽木の中で暮らしていますが肉食で、他の虫を食べてしまいます。
…ねぇ君、もしかして全部食べちゃったの?^^;
コメツキが7月下旬にサナギや羽化したての成虫として朽木の中にいるということは、7月の初め頃にサナギになったものでしょう。そして、6月初めの産卵セット後すぐにクワガタが産卵を始めたとすれば、孵化し始めたのは6月下旬でしょう。クワガタの♀は産卵後放っておくと自分の子を食ってしまうことがあるそうですが、その頃にはすでに♀はセットから取り出してありました。
つまり、ケースの側面に見えていた、朽木から脱出した幼虫と、孵化する前の卵だけが助かった、と想像されます…。
前置きが長くなりましたが、もしコクワガタに失敗しても秋以降に寂しい思いをしないために、ノコギリクワガタも飼育してみよう、というわけです。
さて。到着翌日の夜からクワガタ採りを始めました。
1ヶ月前(6月終わり)に行った時は、そこら中ノコギリクワガタだらけでした。街灯の近くに落ちているのはほどんどノコ、山小屋の灯りに飛んできてその場で交尾を始めるノコ(意外な所が出会いの場になるものです…)、木の幹で他のクワガタを捕まえようとしていると空から降ってくるノコ…。
そして、7/10頃に山小屋清掃要員として行った時は激減。今回はどうか?
結果は、またもや「そこら中にいる」状態でした。でも、木を蹴ってもあまり落ちてきませんでしたので、6月下旬よりは少ない感じです。6月のものは去年の秋に羽化して休眠していたもの、今いるのは今年羽化したものの出始めなのかもしれません。
結局、♀を5匹ほど、未交尾の♀がいる可能性も考えて♂も3匹持って帰ってきました。♂のうちの一匹は、なかなか見掛けない位大きいです。あんまり体長を測る趣味がないので何mmかは不明。想像と目測(笑)では70mm近くありそうですが…。
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何だかんだ言っても樹液酒場の主役はコイツ、カブトムシ。夏本場になって大きな個体が増えていました。 |
カブトムシが増えると樹液の出が良くなるのか、クヌギの木の上は昼間から賑わいを見せるようになります。 |
こちらはひっそりと、お馴染みコクワガタ。昼間とは言え、大抵のカブト・クワガタは直接日の当たらない所にいるので、撮影にはISO1600を重宝します。 |
そして、灯火を周っていると、本陣のすぐそばの壁にヒョロいノコ♂。うーん、♂は本来の目当てじゃないから特別大きいの以外は興味ないな〜…ん?なんか様子が違う?あれ?ミヤマ♂だ!うーん、何年振りだろう。6月末に見付けた♀も、大人になって虫探しを再開してからは初めての気がする。サイズは50mmに満たない位のミニサイズでしたが^^;(昔は70mmオーバー位のが本陣に飛んできたりしていたんですがねぇ…。)
前回見付けた♀は、ミヤマクワガタを都心で飼育するには冷却が必要で手間が掛かるのと、ここでは超久し振りに見付けたということで、希少であろうとの判断から逃がしたのですが、やっぱり♂はカッコイイのでとりあえずキープ。初日からいい感じですねぇ。
結局、ミヤマに関しては、後日60mm位の♂を1匹、♀を3匹捕まえました。今年は大豊作なんじゃないかと思います。ここでは希少ゆえに前回は飼うのを諦めましたが、これだけいるならいいかな?ということで、結局合計5匹を連れて帰ってきました。持ち帰り用のパックにも保冷材を縛り付けるというVIP待遇です(笑)
ところで、数日の滞在中、林道脇の林の中で自前で蛍光灯を用意して灯火採集を行っている人たちがいました。この採集法は、蛍光灯(できればブラックライト)のバックに白いシーツなどを吊るしておいて虫をおびき寄せるというものです。子供の頃は山の中でこれをやるのは「夢」でしたねぇ…。
というわけで興味深々だったので、ちょっと覗かせてもらい、お話も伺いました。昔はエンジン式の発電機を使うしかありませんでしたが、今はバッテリーでできるのだそうで。バッテリーも拝見しましたが、それほど大きなものではありません。それでも20Wの蛍光灯を数時間点等できるそうです。大人の虫取りは奥が深い(笑)
この採集法、仕掛ければ放っておけますし(集まった虫はシーツにとまって大人しくしていることが多い)、木を傷付けるようなこともない平和的なものです。前回の日記に書いたナタ男(ナタで樹木を破壊する)とは天地の差。実際、このグループの人たちはかなりまったりと採集を楽しんでおられたようです。この方々のシーツにもミヤマの♀が来ていました。
ちなみに私も今回、本陣のベランダの電球を、白熱球より明るい電球型蛍光灯(しかもレフ形)に交換し「部屋にいながらにして灯火採集大作戦」を実行しました(笑)が、集まる数は今までとあまり変わらない気がしました。毎日のようにカブトムシ(なぜか♀ばかり)、ノコギリクワガタ、コクワガタ、そして多数のセミ^^;
しかし、ソファーでグータラしながら、ブーン、バサバサと音がした時だけベランダに出てみるってのは、ある意味至高の時間です^^;
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ノコギリクワガタ♀各種。一番左のは比較用のコクワガタ♀。 |
ミニノコギリ・オブ・ザ・イヤー(笑)
本陣ベランダの灯火に飛んできました。 |
なんだこの小ささは(笑)
うちのコクワ♂はみんな45mm以上だぞー。 |
た、今年はヒラタクワガタも多いみたいです。例年は全然見掛けないのに、今年は既に5匹、うち1匹は60mmのジャンボサイズ(逆に他は35mmのミニマムサイズ^^;)を捕まえていますが、今回も、昼間に木の穴(前回の日記で書いた、ナタ男に半分破壊された所です)で♂を見付けました。
しかしこの穴はかなり深く、逃げ込まれてしまうと手出しができません。私は樹皮であっても木を破壊するのを禁じ手にしているので、とりあえずは諦めました(唯一の武器、樹脂製ピンセットを紛失したもので…)。まぁ、ここはかなり快適なので後日行ってもまだ潜んでいることでしょうし。
で、後日の昼間にまたこの辺りに行ってみると、別の木の穴から45mmクラスの♂が顔を出しており、オオアゴをつまんで簡単に捕まえることができました。しかし、うちには♀が1匹もいないのと、前回までに採った5匹のうち2匹が死んでしまったこともあって、最終的にこいつはリリースしました。
ところでこの時、林道の向こうからおじさんが歩いてきました。透明ビニール袋の中を見ると、どうやらカブトを採っている模様。話してみると、「まだ早いからいない」とか言っています。いやぁ、わたしゃ数週間前から腐るほどカブトを見てますがね^^;本陣にも飛んでくるし。なので、「でも夜になればかなりいますよ」と教えてあげたのですが、オジサンは「まだ早いからいない!」を繰り返しています。このテの人って、探すのが信じられないほど下手なんですよネ…。
…去年もこの林道で別のオジサンに出会ったのです。この人は某施設でカブトを売っておカネにしようとしていたみたいですが、私が10匹発見(捕獲せず)する間に1匹捕獲、くらいの差がありました。全く同じ木を同じ時に同じ場所から見ているのですが。慣れてる人は、夜でも懐中電灯で一瞬照らすだけで、木なのかゴッキーなのかカブト・クワガタなのか見分けが付くものです(去年同行した友人曰く「お前の目は異常」だそうですが(笑))。
で、ヒラタの続きですが、1ヶ月前にミニヒラタ♂2匹を同時に見付けた木を「ご神木」として苦労して探したんですが、今回はここにはいませんでした。しかし、自宅に引き揚げる直前に、本陣敷地内の木(ベランダの目と鼻の先)をちょっと見てみたんですよ。そしたら、ヒラタ♂2匹をあっと言う間に発見^^;
そしてその木のたもとに目をやると、どうしても見付からなかった♀の力尽きた姿が…。拾い上げてみるとまだ硬くなっていなかったので、最近まで生きていたのでしょう。アゴの半分は削れ、足の先端は無くなり、かなり苦労をして産卵して戻ってきたような様子。灯台元暗しとはこのことです。灯火でもよく採れるヒラタクワガタが、実はベランダの灯火のすぐそばに潜んでいたのですから。
つまり、この時、この亡き骸も含めて3匹を見付けたのでした。となると、本陣敷地内でヒラタが繁殖している可能性もあります。今年はもう繁殖用の♀を採るには遅いかもしれませんが、来年に期待できます。というわけで、ここで見付けた♂(35mmクラスのミニと45mmクラス)は連れて帰ることにしました。
そんなわけで今回は、当初の目的のノコギリクワガタは当然として、ミヤマもヒラタも、という充実したものとなりました。しかし、山篭りの期間が長かったせいか、「新鮮なものが食いてぇ!」「甘いものが食いてぇ!」という、まさに大昔の山の人みたいな状態になってしまいました^^;(途中で買い出しに行かない場合、初日と数日間は刺身や肉、野菜が食べられますが、その後はレトルト食品やレンジでチンのコメでの持久戦になります…。)
で、山を下りて修善寺駅に着いた私が真っ先に向かったのが数軒あるソバ屋。こういう時は、冷たい、大根おろしやなめこが入ったそばが最高ですね。あと、アイスコーヒーの類は運び込むのが大変(水は重い…)なのでコーヒーにも飢えていましたので、帰りの新幹線(リッチ(笑))で、わざわざ高いアイスクリームとホットコーヒーを買い求めました。
しかし、成果を振り返りながら食べるアイスと苦いコーヒーは最高の味わいなのでありました。
次回、球が切れた本陣の門灯を明るい電球型蛍光灯に交換する野望を持っています(笑) |