2006/4/30〜5/1 大井川鉄道の旅

今年のG/Wは間に平日を挟み、幸いにも私は間の平日も休みでしたので、空いている・宿泊料金も安い日曜出発で旅をすることに決めました。

そして例によって直前まで計画を立てていなかったので、行き先は、写真撮影で何度か行ったことがあるために土地感があり、なおかつ良質な温泉も楽しめるという大井川方面に決定。

大井川鉄道と言えばSLが有名ですが、私はいつも外から撮るばかりなので、今回は鉄道写真のことは忘れて、ゆったりとSL列車に揺られてみることにしました。

まずは車で新金谷駅へ。そこからSLと温泉の旅が始まります。

 

SL列車の車内。今時扇風機は珍しいですが、この車両はSL列車用としては比較的近代的なものです。

 

汽車旅と言えば駅弁。これ常識。

私は「絶対幕の内派」なのですが、大井川鉄道名物「汽車弁当」は食べたことがあるので、今回は「大井川ふるさと弁当」にしてみました。

この写真では隅に隠れてしまっていますが、山女の甘露煮は激しくウマーです。甘く煮た魚というとサバ缶のような味をイメージしてしまいますが、この甘露煮は次元が違います。

なお、どの弁当も「要予約」となっていますが、混雑期でなければ、当日、駅や、少数ながら車内でも購入できるようです。

 

時間の都合上、途中の下泉駅でSLを下車。素朴な木造の駅舎がいい味を出しています。

駅近くには特に何もないので、金谷方面への列車が来るまで20分ほど暇つぶし。駅舎内には文庫コーナーがあって、読書好きな人なら1時間でも待てるのではないかと思います。

私は、つい先日見た映画「下妻物語」の原作を見付けてパラパラと目を通してみました。

 

新金谷駅に戻ってマイカーを回収し、先程まで列車で走ってきた線路沿いを今度は車で走ります。

目指すは宿泊地の寸又峡温泉ですが、 途中、是非立ち寄りたい場所がありました。家山駅近くにあるたいやき屋さん、その名も「たいやきや」です。

ガイドブックによると、ここは駅から歩いて数分程度なのですが、なかなか見付けにくい場所にあります。駅前には、よくある商店街の地図のようなものがありますが、かなりアバウトな描き方をされているので、多分これを見ても辿り着けないと思います…。
こういうときは地元の人に聞くのが一番。通り掛かったおばちゃんに聞いたら、案の定すぐに場所はわかりました。 おばちゃんに感謝です。

ここでは、静岡らしい抹茶味のたいやきを売っています。「名産品の味の何々」という食べ物は多くの観光地にありますが、ここは一味違います。ほのかなお茶の香りとさっぱりしたアンコのハーモニー…とでも言えば良いのでしょうか。さっぱりしていてそれでいて…って、「美味しんぼ」みたいになってきたのでこのへんでやめときます。たいやきの正体は、ぜひご自分の目と舌でご確認を。

たいやきを食べ終わって車まで戻る途中、偶然にも先程のおばちゃんと再会し、「たいやき屋さん(の場所)わかった?」と聞かれたので、お礼を言って車に戻りました。

 

車を進め、寸又峡温泉に到着。 夕暮れまでに帰って来られる距離であることを確認して、まずは「夢の吊り橋」に向かいます。

奥大井には数多くの吊り橋がありますが、ここは温泉街から徒歩20分程と、比較的行きやすい場所にあります。

写真の湖面の青色は決して誇張ではなく、この辺りの川や湖は本当にこのような色をしています。時間はもう夕暮れ時でしたが、新緑に湖面の青が映えてとても美しい景色でした。

 
 

吊り橋近景。

かなりスリリングなこの吊り橋を、会社にでも出勤するような格好で渡る人(笑)

訪れる人の中に、吊り橋の袂まで来て恐れをなして渡れなかった女の子もいました…。

なお、この写真の人は知り合い、というか奥さんです。写真では平然と歩いていますが、実際はかなりビビってました。

 

 

私も特に高い所が得意なわけではありませんが、写真を撮るときはそういう感覚がなくなります。

この一枚は、通る人の邪魔にならぬよう、板の横の梁に立って撮った写真ですが、吊り橋ですので人が歩くとかなり揺れます。

それでも、橋の揺れを考えて感度を上げてシャッター速度を稼ぎ、揺れが収まるのを待って…と、こういう 状況では写真のことしか頭になくなってしまうわけです。

二日目は、大井川鉄道井川線(トロッコ風列車)に乗りました。

井川線は、同じく大井川鉄道の大井川線(SL運転路線)の終点である千頭を起点とする、元々はダム建設のために建設された路線です。

寸又峡温泉に宿泊した関係で、途中の奥泉駅から終点の井川駅まで、片道約1時間の旅でした。

 

奥泉駅を出発してしばらくすると大きなアーチ橋が見えてきます。新緑の緑と鮮やかな朱色のコントラストが見事。

この写真は(株)帝国書院の書籍「旅に出たくなる地図」の販売促進用ポスターに使用されました。

 

列車からしか見られないアングル。なのに、「この橋の上を鉄道が走っていたら…」などと贅沢なことを考えてしまうのは自称プチ鉄っちゃんの性。

 

井川線は路線の80%がトンネルと橋で占められているのだとか。乗っていると、実際数多くの鉄橋を渡ります。

ところで、普通なら車内アナウンスは「窓から顔や手を出さぬよう…」ですが、この路線では景勝地に差し掛かると「カメラ等を落とさぬよう…」という車掌さんのアナウンスが流れます。
確かに多くの乗客が窓から乗り出して写真を撮りますので、実際カメラを落とした人も一人や二人はいるはず…。まぁ、カメラくらいなら良いですが、暮々も自分自身を窓から落とさぬようご注意を。

 

アプトいちしろ駅から長島ダム駅の間は、急勾配のため「アプト式」という特殊な方式の線路になっています。
これは、機関車に取り付けられた歯車をレールとレールの間に設置された直線状の歯車に噛み合わせて急勾配を上り下りするというもので、現在はここが日本で唯一のアプト式路線です。

写真はアプト区間専用の機関車。
下の写真を見るとわかりますが、この機関車はそれ以外の井川線の車両より一回り大きく、頼もしく見えます。

 

 

アプト式機関車に押されて、90‰(パーミル:1000mで90mの高低差)の急勾配を登ります。

ちなみに、このような特殊な方式を使わない普通の鉄道での一番の急勾配は、箱根登山鉄道の80‰。ということは、箱根登山鉄道は日々限界ギリギリで勝負してるってことでしょうか(笑)

 

終点の井川駅に到着。
ここからは井川ダムまで下りることもできますが、まぁだいたいダムは見飽きたので(笑)次の列車で帰ることにします。

その間、駅のすぐそばの土産屋で
「CUP NOODLE」にそっくりな外見の
「SOUP NOODLE」なるものを発見。
何これ?カップヌードルのまがいもの?
でもちゃんと日清って書いてあるし…

人への土産物はちっとも買わないくせに、そういう怪しげなものは手に取らずにいられない私…。

というわけで、「SOUP NOODLE」を指名買いして帰路に着いたのでありました。

 

※帰宅後調べたところ、SOUP NOODLEはまがい物でも何でもなく、日清が'06年1月に新発売した「カテゴリーボーダレスな新価値提案商品」だそうです(笑)

SL撮影のために何度か足を運んでいる大井川鉄道ですが、千頭から先の井川線方面に行ったのは初めてのことでした。奥大井の紺碧の水、車窓から 望む渓谷美…鉄道写真のことは忘れて、大自然の写真を撮りに行きたいとも思いました。

また、寸又峡温泉のお湯はとても良質で気持ちの良いものでした。硫黄の匂いのする肌触りの柔らかいお湯で、美女作りの湯とも言われているとか。まぁ、私が美肌になってもしょうがないのですが、きっと温泉好きな方も満足できると思います。

金谷からSLに乗って終点の千頭まで行き、井川線の終点まで行って寸又峡温泉に宿泊する、という典型的なプランなら、一泊二日でも充実した旅になると思いますよ。その際は、たいやきを食べることも忘れずに…。

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